旺文社文庫、こんなん出ました。
私のような昭和20年代生まれにとって、旺文社文庫の出現は、何か変なものが出てきたなという印象が強烈です。
函入り!これがショックでした。「要らんことしたな」という気持ちが強かったと覚えてます。しかもその函がキツイ。本体を取り出すのに苦労しました。
色が、函、本体ともアマガエルのような薄緑。本体の表紙がピカピカのビニール(?)コーティング。ほとんどが挿絵入り。解説どっさり。語注テンコ盛り。奥付の上半分を占める「刊行の言葉」の最後に赤尾好夫の墨跡署名。
全体に胡散臭さ、B級の香りが立ち昇っていたと思います。
この文庫が変質し始めるのが、函をやめてカバーにしてからだと誰もが言うでしょう。
小説系は普通のと言うか、画家が勝手にイメージしたような当りさわりのないカバーでしたが、ノンフィクション系が大雑把に橙、緑、青、黄の表紙の真ん中に写真や絵をを四角にはめ込んだ感じのカバーで統一されてきました。
この時代に入ってから、文学、小説系がブレイクし始めました。安藤鶴夫、木山捷平、内田百閒、岡本綺堂などの有名なシリーズが続々。古本屋もゾクゾク。あ、続きは次回に。
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2011年8月27日 | コメント/トラックバック(0) |
古本でドッキリ
何かに熱中しているとき、関係ないことにも反応することがありますね。
北杜夫さんがエッセーに書いてますが、トーマス・マンに熱中していた若い時、道を歩いてると、突然びくっとした。なぜだか一瞬分からなかったけれど、よく見まわすと、目の前の電柱に「トマト・ソース」の張り紙が。
私にも似たことがあります。池崎書店は音楽関係の古書に力を入れてますので、作曲家の本など探してます。
ある日、新刊書店の店頭で突然ドキッとした。音楽書がなさそうなのにと、よく見ると「バトル・トーク」という対談本がありました。バルトークと見間違えたのですね。
こんなに熱心な池崎書店に本をお譲りください。
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目録締め切り!古本買取!
「第11回四天王寺 秋の大古本まつり」の目録締め切りが今日なのです。いつのまに!
このパターンは子供の時からです。尻に火が付いてから始める。死ぬまで治らないでしょうね。あれこれと本を引き出してきては、ダメダメと元に戻す。今回のテーマはなんと
「哲学の秋」!
格調高くも、何となく絞りきれない。手垢まみれのようでいて、少し新鮮。
参加各店、考え抜いた在庫を大量に放出するでしょうね。テーマ以外の本も期待十分です。
巷では大人の数学ブームが続いているとのこと。原理的なことから自分を見直すということが流れみたいです。哲学などまさしく根源的な自己認識のテーマではありませんか。
皆様のご来場、ご注文をお待ちします。
毎回ですが、古本買取も積極的に推進中です。
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お問い合わせ歓迎
下鴨にお越しいただいたお客様からお問い合わせのfaxをいただきました。
出張催事は何かと気ぜわしく、会期中はお客様とゆっくり話すこともままならないことが多いのですが、終了後、さて、次の催事はと考えているときなどに、済んだ催事についてのお問い合わせや、ご注文をいただくのは、何となく時間が緩やかに戻ったようでうれしいものです。
池崎書店、お問い合わせ、大好きです。お待ちしています。
買取も大好きです。ぜひ、ご用命ください。
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パエトン、あるいは原発、あるいはマンガ
少し長めに寝ていてもいい朝は、寝床でマンガをよく読みます。そういう時は山岸涼子や西岸良平がうってつけ。諸星大二郎も大好きですが、これは読みすぎてしまうので禁物。
山岸さんの作品に「パエトン」があります。ギリシア神話をベースにした、反原発がテーマです。チェルノブイリにショックを受けて書かれた作品のようで、福島原発の問題が重い現在、読み直してもよい作品だと思います。
しかし、彼女の作品の特徴である、細い線のなんと強いこと。影をつけないので浮世絵的でもありますね。
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2011年8月23日 | コメント/トラックバック(0) |