そして神戸
昨日は近畿ブロック大市会が兵庫県古書会館であり、全国各地の多くの古本業者さんで大変なにぎわいでした。
私も久しぶりに神戸にお邪魔しました。一階、二階にわたって多くの出品であふれていました。
途中で所用のため、早目に失礼しなければなりませんでしたが、落札できているかは、ニ、三日後の楽しみです。
それにしても、高速神戸花隈駅の昇りの階段はきついですね。もっと足腰を鍛えなければと痛感しました。
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2011年10月26日 | コメント/トラックバック(0) |
風邪、早くも流行?
昨日は、二世会の市会日。相変わらず、さりげなく優品が多く並んでいて、静かな熱気ある戦いが繰り広げられました。
会場では、マスクをしたり、咳きこんでいる人が多いのが少し心配です。熱はあまり上がらないと、その人たちは言っていましたが、油断しないように、早い全快をお祈りします。
昨日は日中、真夏日だったということですが、今日の夕方から気温が下がり始めるらしいです。
古本屋は体力勝負。11月は接近して多くの即売会があります。本と気力をため込んで、お客様に喜んでいただけるように、頑張りたいと思います。
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2011年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |
恐妻家の昭和秘話
昔はよく聞かれたけれども、最近使われなくなった言葉に「恐妻家」があります。
戦前だからこそ、恐妻家はある種、ユーモラスな存在であり得たわけで、現代の亭主は戦前レベルからすると、ほとんどが恐妻家でしょうね。
その戦前から恐妻家の代名詞のように言われ、自らも認めていたのが阿部真之助です。ジャイアンツのキャッチャーではありませんよ。東京日日新聞(後の毎日新聞)の記者からNHKの会長までした人物です。毒舌の政治評論家でもありました。
「現代知性全集」と言う、かなり恥ずかしい名前のエッセー全集が昭和30年代に出ていました。何と全50巻で、時々100円均一で端本が出ていることがあります。その中に「阿部真之助集」がありまして、少し拾い読みをしたら面白い。
吉田茂論があり、吉田をポロカスにこきおろしています。少し憐れんでさえいる感じです。軍部と対立した硬骨ぶりを世間では評価しているようだが、政治的な対立ではなく、勲一等だった官僚(吉田)と勲一等の軍人の対立という構図にすぎないと言ってます。
その吉田が終戦工作に邁進せざるを得ないような文書があった、と阿部真之助は書いています。大本営極秘文書。その中でも特に「政治行政機構改造案」では一国一党、「国憲社会党」中心のプロレタリア独裁実現のために戦争を遂行すること。ソ連の政治機構そのまま引き写しだったとのこと。軍の意図が日本のプロレタリアート独裁化であると明確になったので、天皇制護持論者の吉田や近衛、眞崎らが慌てて終戦を画策しだしたというのです。
にわかには信じがたい文書ですね。キーナン検事も探し出そうとしたらしいが結局残ってなかったらしいです。もしこれが事実ならば戦争の性格自体が変貌します。本当ですかね。昭和史の専門店、厚生書店さんに聞いてみましょう。
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2011年10月24日 | コメント/トラックバック(0) |
昔の辞典は捨てがたい その5
さて、いよいよこの「家庭百科」の中でも指折りのユニークな項目をご紹介します。
「砂風呂」。何か予感するでしょう。「風呂屋ではない。東京大森海岸にある待合の別称である。蒲団の下に温めた砂を敷いてあるので、この名がある。温泉場のつもりで遊びにゆき、赤面した人があるといふから、注意を要する」今もあれば是非とものぞいてみたいですね。どうして赤面したのか、その訳も知りたい。注意を要する、なんてどこまで本気なのでしょうか。
「速記者」の項目も変です。色々と速記の技術習得の困難なことを列記し、あげく「よい指導者を選ぶことも大切で(略)信用のあるのは、東京では麹町の佃速記事務所で(略)夜6時から9時までの授業で二ヶ年卒業。月謝は三円。」と、まるで佃速記事務所の臨時出張窓口みたいです。きっと幾らかもらっていたのでしょう。
「沈没ー①待合や遊郭に入り浸ること。②質入れすること」沈没の正規の説明はナシ。
「つんシャンーつんは三味線、シャンは美人。そこで美人芸者の意」やはり相当の粋人か通人が書いているとしか思えません。
「とてもろー女学生間の流行語で、非常にの意」とてもろ勉強になります。
見てきましたように、この婦女界社版「家庭百科大辞典」は花柳界やカフェ界、女学生界の言葉にめっぽう強いという特徴を持っています。昭和初期の香りを色濃く漂わせている、ある種、名辞典と言えるのではないでしょうか。
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2011年10月23日 | コメント/トラックバック(0) |
昔の辞典は捨てがたい その4
「新婚旅行」も力が入った項目です。全10章にわたって心得などが列記されています。例えば、その第5章「汽車中ではとかく人目につき易いので、あまりなれなれしいのはいけないが、又あまりよそよそしくて、花嫁に心細い思ひをさせてもいけない。新郎の思ひやりのある態度が望ましい。」痒い所に手が届くようではありませんか。
「スタイル・シャンー顔はとも角、姿の素敵にいい人のこと」素敵にいい説明ですね。
「スタンド・ガールー英語 大阪地方で流行してゐる最新の職業。デパート、停車場等の繁華な地点にあって、掲示板の代用をなす。即ちこれに手紙を預け、又は用件を話しておき、やがて来るべき相手の者に伝達させる。」大阪地方で当時そんな職業があったとは知りませんでした。来るべき相手をどうやって判断したのでしょうか。空港の出迎えのような、ネームプレートのような物でも振りまわしてたのでしょうか。これは暇を見つけて詳しく調べてみたい気がします。
「ステッキ・ガールー和製英語 ステッキ代わりに男性の散歩のお伴をする娘。その反対にハンド・バッグ代わりにお嬢様のお伴をする男性をハンドバッグ・ボーイと呼ぶ。」ステッキ・ガールは外の辞書にも載ってましたが、ハンドバッグ・ボーイにまで言及しているのは、この「家庭百科」だけのようです。実にユニークです。
続きます。
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2011年10月22日 | コメント/トラックバック(0) |