見晴らし良く、寒かった
今日は、神戸へ買取に行きました。
高台は、風が強くて、真冬さながらでした。
良い本を譲っていただきました。
心はぽかぽかです。
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2011年11月24日 | コメント/トラックバック(0) |
世界文学全集、読まないと損 続
この全集、古本で見かけることはあまりありません。業者の市でも、揃を見たことがありません。
あまり売れなかったのでしょう。全集ブームの時期が、完全に終わりかけていたころに出始めたのがネックでした。それと全集としての統一感のある装丁をせずに、箱の上に、各巻異なった装画があしらわれたカバーがかかっているのも問題です。一冊だけ買っても違和感が無いように、単行本の感覚を出したとのことですが、それがかえって裏目に出たかもしれません。
応接間や客間の飾りとしての全集が、購買者の動機として、重要だった時期があります。亀倉雄策氏が河出書房の各文学全集に施した装丁は、明らかにその目的を担っていたと言えるでしょう。吉永小百合がほほ笑みながら、その一冊を手にしたポスターやチラシが思い出されます。たしかに、それらがズラリと並んでいるところは、変な存在感があります。
講談社のこの全集が並んでいるところは、何か白タイルの風呂場みたいな、ツルッとしたテカリがあります。
続く
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2011年11月23日 | コメント/トラックバック(0) |
世界文学全集、読まないと損
昭和20年台後半~40年にかけて、日本では世界文学全集と銘打ったシリーズが、各社からたくさん出ていました。収録された作品の多くは、名作ですのでダブっています。でも、少しづつ違いもあり、それが出版社、編集者の個性の見せどころでもありました。
そこら辺を歴史的な流れと共に概観、解説したのが矢口進也さんの「世界文学全集」という本です。
よく調べられた本で、代表的な全集は、内容に立ち入って詳しく解説されています。
その本によりますと、巻数で戦後最大規模の世界文学全集は、講談社の世界文学全集「オプション103」の全103巻別巻1巻のようです。講談社は日本文学全集でも最大の巻数の、日本現代文学全集全108巻を出しています。端数の好きな出版社です。どちらも100巻を飛び出しているのが元気です。
世界文学全集のほうは順調には出ず、1974年の刊行開始から、本巻の最終巻「デカメロン他」が1989年に出て、別巻の「世界文学史」が4年後の1993年に出て、やっとこさ完結しました。19年がかりです。筑摩の世界文学大系に次ぐスローペース、筑摩は途中、経営の悪化などがありましたが、講談社は揺るぎない大出版会社なので、この刊行遅延は異常に見えます。この全集、私は好きです。
続きます。
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2011年11月22日 | コメント/トラックバック(0) |
振っても振っても終わらない
今日は、二十日会の市日でした。私も同人ですので朝早くから古書会館で、入札の準備です。置き入札の数量も多かったのですが、そのあとの振り市が、全体数が咄嗟には、つかめないほどの多量でした。他の市会の方がよく言う「莫大な量の振り」になったわけです。
新人の振り手のデビューもあり、なかなか楽しく刺激的な時間でした。
競り落とした本を、皆様にお見せできる日も近いと思います。
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2011年11月21日 | コメント/トラックバック(0) |
お勧めです
世間では、司馬遼太郎の歴史小説が、ドラマ化されたりするので人気がありますが、一昔前は、大仏次郎の歴史読み物がかなりの読者をひきつけていました。
一連のフランスもの、例えば「ブゥランジェ将軍の悲劇」「ドレフュス事件」「地霊」などなど。大物は有名な「パリ燃ゆ」です。大変な資料の蓄積と読解の上に、想像力を羽ばたかせた、実に興味津々の読み物です。朝日新聞社の大仏次郎ノンフィクション全集版全3巻が注解も詳しくてお勧めです。
我が国の歴史に材をとった作品では、未完に終わりましたが、「天皇の世紀」がやはり力作でしょう。幕末の動乱を、綿密にかつ力強く描いて、読み応えあります。
何故か、古書価は廉いので、これを読まない手はないと思うのですが、いかがでしょうか。
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2011年11月20日 | コメント/トラックバック(0) |