太郎、一郎、富士男

以前にも書きましたが、各種の全集類に挟まれている月報を読むのが好きです。

今日も今日とて、角川書店から50年ほど前に出された「世界の人間像」なる全集本の月報をパラパラ見ていると、野口富士男と言う作家(「風のない日々」が傑作)が岡本かの子を回想した文章が目に留まりました。岡本太郎の「母の手紙」が収録された巻の月報です。

それによると岡本太郎と野口富士男は慶応の幼稚舎から10年ほど同級だったとの事。

小さい頃の太郎はいつも青い鼻汁を2本垂らして、それをこすって拭くので制服の袖口がピカピカだったことが印象的だったと書かれています。傍若無人。授業中は教科に関係なく、いつも雑記帳に絵を描きまくっていたとか。栴檀は双葉より芳し。

母親のかの子は我が子思いで、野口たち級友にも親切にしてくれたことが書かれています。

太郎が10年ほどパリに留学していた頃、野口たちを食事に誘ってくれたとあります。我が子が日本にいない寂しさをその友達と話すことによって紛らせたのでしようか。

その席上、かの子が「ねえ野口さん、私、毎日毎日、増永さんのレコードを聴いてるのよ」と言ったそうです。増永さん、と言っても判らないでしょうね。これが後年の藤山一郎の事なのです。「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」なんかをかの子は毎日聴いていたのでしょう。

藤山一郎も野口富士男と同じく、幼稚舎からの太郎の同級生なのでした。

陰鬱な小説家野口富士男、国民歌手の藤山一郎、爆発の岡本太郎の3人が、かの子の下に一本につながるわけです。

月報読みの功徳、まさに極まれり。



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