島村抱月を読め❢

今現在、この本を読んでいるのは日本中、いや世界中で自分ひとりと確信できる時があります。というか、私の読書はほとんどがそうだろうと思います。

今日も今日とて、島村抱月の「影と影」という作品集を手に取っています。大正2年の出版ですから100年以上前の本です。

植竹書院の現代傑作叢書の一冊。文庫サイズの小型本ながら橋口五葉の華麗な装丁が美しい。

その中の「野犬」と言う小品に心ひかれました。

主人公(たぶん抱月自身)の家の軒下に野犬の牝犬が仔犬を三匹生み落とし住み着くのです。近所の人が物騒だから撲殺しようというのを、もう少し大きくなったら出してしまうので、その時にして欲しいと、しばらく住まわせます。

母犬はどこかで乳になるものを食べてきては戻ってきて飲ますのですが、近くに見慣れない人がいる時は用心して、家にも決して近づかない。主人公の家の人だと、ちょっと立ち止まって顔色をうかがった上、頭を地面にすりつける様に垂れて、遠慮しいしい床下に入るそうです。

仔犬が大きくなったので、そろそろ追い出そうかと言っていると或る日、母犬は一匹づつ向かいの草むらに仔犬を連れ出して、全員揃うと嬉しそうに何処かへ行ってしまいます。

これだけの話ですが、きびきびした筆致で母犬、仔犬の様子が描かれ、犬好きの私には又と無い読み物でした。

島村抱月と言うと、明治の古臭い美文調の作品かと思っていましたが、あにはからんや違っていました。現代の文章として読んでも違和感が全くありません。

是非読んでください、と言っても難しいでしょうね。池崎書店で買うしかありません。



守口市、門真市は当店の買取推進地区です。雨でうっとおしい毎日ですが、思い切って爽やかに古本、古書、資料、クラシックCD、ジャズCD等の売却をなさいませんか。その時はぜひとも大阪府古書籍商業協同組合加盟店の池崎書店にご相談ください。本が足りません。今、多くの本が必要です。休日返上で毎日無料出張買取中。買取実績圧倒的多数。適正な査定、誠実、高価買い入れ致します。店主の池崎潔史が責任をもって出張買取いたします。古い本、江戸期や明治の本、大正の本、昭和の本や、美術本、絶版文庫、文庫、単行本、個人全集、専門書、一般書、学術書、古地図、絵葉書、骨董、切手、CD、DVDなど積極的かつ切実に求めています。会社整理やご遺品整理も承ります。千冊単位、万冊単位の大量買取、どうかお任せください。専門スタッフが懇切丁寧に無料査定いたします。最適なご提案を心がけています。(でも残念ですが、一部の日本文学全集、世界文学全集等、ごく稀には買い取りできない本や雑誌がございます。状態のよろしくない本や、日焼け本等も同様に買取困難若しくは買取価格がお安くなります。) 古書・古本出張買取を強化しております。お問い合わせは古本・古書買取直通ダイヤル090-3990-1086、または 買取のお問い合わせ にて承っております。夜間買取もしています。早朝買取実施。ご遠方からの宅配買取も大歓迎でお受けしています。送料着払いです。お問い合わせください。





タグ

2016年7月16日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:お勧め本 古書 古本

このページの先頭へ