クイーンと税金

エラリー・クイーンの推理小説が好きで、たまに読み返しています。今日も今日とて「犯罪カレンダー」ハヤカワノヴェルズ刊と言う短編集をパラパラ見ていました。カレンダーという表題にちなんで1月から12月までの12篇の小説を並べています。3月は「マイケル・マグーンの凶月」という短編で、その書き出しはこうです。



「1919年2月24日午後6時55分、65国会の第3読会を通過して、その法律は成立した。名称は法律第254号」



その法律というのが「アメリカ合衆国における徴税の規定およびその目的に関する法律」らしいです。そしてその法律の定めるところによれば毎年3月15日までに前年の所得の申告せねばならないのです。エラリー・クイーンはアメリカの所得税申告の成立の歴史をその小説の冒頭で紹介してくれていたのです。



そうです。日本の所得税申告の通常の期限だった3月15日はアメリカがお手本だったわけです。日本では戦後に定められたのですから、GHQの暗黙の指導があったのかも知れません。アメリカではこうしてるから、というわけでしょうか。



タイミング、バッチリの小説でした。今はアメリカでは7月15日まで延長可能らしいですけれど。



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