小泉信三さんの葉書

小泉信三さんの次女、秋山加代さんの「叱られ手紙」をパラパラ読みました。

小泉さんが太平洋戦争末期に空襲でひどい火傷を負った事は知っていましたが、両手の火傷もひどかった事を今回知りました。

左手は燃える手すりをつかんで二階から降りてきたため、骨近くまでの火傷で、カギ形に固まって動かなくなってしまったとのことです。幸い右手は植皮手術等で何とか動かせるようになり、手紙なども沢山、加代さんに残されました。厚い皮手袋をはめて書いているような感じだと娘さんに語っていたようです。

生前は悪筆と言われていたが、火傷してからはかえって字に味が出たと加代さんは書いています。

明治人らしい律儀さで手紙は多方面に書かれたようです。文藝春秋社版全集二段組みで2巻に及びます。

私も葉書を1枚持っていた事を思い出し、久しぶりに取り出して見ました。消印は昭和29年6月14日。

ハワイの絵葉書で、アメリカからの帰国報告です。宛先は「宮原清」さん、慶応の同窓で野球部の主将だった人。

全集には未収録です。

細かい字で、誠実そのものという感じです。

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