続けて勘助

中勘助と言えば「銀の匙」と反射的に出てきます。

愛読者が多い作品ですが、問題をはらんでいたようです。

作中、幼い主人公(勘助)が星の事を「お星様」と言うと、14歳年上の兄が「お星様なんて言うな。星と言え」とかいう様な場面があるそうです。

この兄弟の確執みたいなものが実生活の上でも一生、中勘助には付きまとったのでした。

その兄の嫁に勘助がずっと仄かな思慕を寄せたり、心からの親友が、これも友達の安倍能成の家で自殺したり、医科大学の教授をしていた兄が若くして脳出血で倒れ後遺症が残り、兄嫁ともども勘助が面倒をみることになったり、そのしたわしい兄嫁が病気で亡くなってから、同じ年に58歳にして初めて結婚しますが、結婚式の日に兄が死んだりと、本当につらい人生を送られた訳です。

それ以後は15歳年下の奥さんと静かな人生を、静かな文を綴りながら、81歳で亡くなるまでおくられました。

その文章は日記のようであり、書簡のようであり、読むと、冷たい透明の水を呑むような気持ちがします。

登場する個人の名前を「□ □ さん」というように書くのが特徴的です。それが文章全体を清らかな白さに漂白するような効果があります。

漱石門下では内田百閒と並んで異色の人と言えるでしょう。



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