ベストセラーと結核

意味ありげですが大したことではありません。伊藤整という作家がいました。昭和30年前後の大ベストセラー作家です。チャタレー裁判の被告の一人としても有名です。息子さんが二人いまして、その一人が英文学者でエッセイストの伊藤礼さんです。

父親の事を書いた本を何冊か出されていまして、「伊藤整氏 奮闘の生涯」が読み応えあります。

ベストセラーを量産し始めたころ、礼さんが結核にかかります。当時、ストレプトマイシンやパスなどが何とか市中に出回り始めた頃で、高価でした。礼さんは書いてます。「昭和28年という年は「女性に関する十二章」新聞小説「花ひらく」を(略)連載していたし「火の鳥」(略)「伊藤整氏の生活と意見」「文学入門」などがこの年から翌年にかけて公刊されている。これは父のベストセラー時代の幕開けで、この頃から家の中になんとなく金の匂いが漂い始めていた。」

良い表現ですね。「金の匂い」、一度でいいから嗅いでみたい。ですから、礼さんの治療も豪華になったらしくパスなども、普通の人が飲む白い粉状ではなく、糖衣錠だったとのこと。それが何と一度に15錠から20錠ほど飲まねばならず、飲んだ後で体を動かすと、胃の中で錠剤がジャラジャラ音がしてうるさい、と書かれています。それでもまずい粉末状で飲むよりは、ましだったそうです。

私もパスを飲んだことがありますので、その飲みにくさは良く知っています。水が少ないと、口の中で薬が膨らんだようになって、上あごにひっついたりして、誠に飲みづらかった。でも錠剤20錠のほうが私はイヤですね。


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