自転車操業

自転車操業。

古本屋には、お馴染みの言葉です。

この言葉は誰が何時頃から使いだしたか、はっきりしています。

評論家の臼井吉見が昭和28年頃から使い始めたと、本人が語っています。

当時、臼井は筑摩書房の編集顧問として色々な出版アイデアを提供していたのですが、社長からの、倒産するまで2か月の余裕があるから何か考えよ、との命令から生み出したのが昭和28年の「現代日本文学全集」発刊だったわけです。

走り続けないと倒れるから自転車みたい、当時の筑摩書房の実感から出た言葉だったそうです。

この全集はベストセラーになり、筑摩書房は自転車からおりれました。

まあ、後日譚になりますが筑摩書房は会社更生法の適用を受けて結局、再出発するわけですが、以後も変わらず良心的な出版社として今も健在なのは目出度い事です。

新語を生んだ出版社としても記憶されるべきですね。


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