暗い暗い話

突然ですが、古本業界には「三くにお」と言う言葉があります。

小川国夫、塚本邦雄、辻邦生の三人さんの事。

ひと昔前、古本屋はこの三人の文学者に、かなり儲けさせてもらったと聞きます。人気があったのでしょうね。

今は読む人がめっきりと減った感じがしますが、このお三方の本は装丁が美しいのが多く、文芸書の初版本がよく売れた時代には、確かに愛書家の気持ちをくすぐったと思います。

私も遅ればせながら、今日も今日とて、辻邦生の留学時代の日記「パリの手記」にふと目を通しましたが、たちまちびっくりしました。

1957年10月9日にパリに着いた夜の日記はこう始まります。

「ディジョンを出て一時間ほどで暗くなった。マルセイユーパリ間を九時間半で走るこの列車はディジョン以後は停車せずに暗い闇の中を走り抜けてゆく。野や丘は暗く、時おり町の乏しい灯りが一瞬通り過ぎてゆくだけだ」

僅か3行の中に「暗く」「暗い」と言う言葉が3度も出てきます。あれれ、ちょっと「暗」が多すぎやしないか?

面白くなって数えてみると(私も暇~)この1ページに「暗い」「暗く」「暗闇」「薄暗い」と言う言葉が11回(❢)出てきます。それに対する「光」と言う語が2回、「灯」は4回出てきます。

次のページは「暗い」「暗く」「薄暗い」が10回、語感が近い「黒い」「黒々」が6回、それに対して「光」が4回。次のページは「暗い」関係が6回、「黒」2回「光」1回。

以後、「暗い」は2回、4回と後のページにも万遍無く登場して、バリ到着第一夜の日記は終わります。

わずか1日(夜だけだから半日?)の日記、全6ページの中に「暗い」「暗く」「薄暗い」「暗闇」は何と合計33回も使用されていました。平均して1ページに5回以上。1ページ20行ですから3~4行毎に1回は「暗い」関連の言葉が出てくる勘定。ばらつきがありますので、1行に続けて2回出てくることもあります。「闇」や「夜」は数えませんでしたがこれらも多用されています。

読んでいるとこれはかなり滅入りますよ。

対する「光」「灯」も負けないほど登場しています。

辻さんはただひたすら、パリの夜の暗さと光に感じ入っていたようです。

夜にパリに着いたんやから暗いのは当たり前やないか~、灯りが目に入るのは当然じゃ~、と突っ込みたくなりました。これは普通では悪文と言うのじゃないかなあ。

読み続ける気が、しょっぱなから少しめげました~。


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