かもしれない

尾崎喜八の本が少し入ってきました。今は読む人も減ったと思いますが、串田孫一と共に、以前は山好きな人に読まれた時期がありました。



詩人としても沢山詩集を残していますが、昭和18年に「組長詩篇」という詩集があります。つまり太平洋戦争中に隣組組長として、出征してゆく若人への激励の詩を創作したのを集めたのだ、と後書きに記されています。



私は中身より、装幀にまず気を引かれました。カバーは濃い灰色の地に、薄い灰色のいろは四十八文字が、縦書きで大きな活字で全面にびっしり印刷されています(カバー裏も同様)。真ん中に空間を作って白抜き活字横組で小さく「組長詩篇」その下に更に小さく「尾崎喜八」。



実に大胆でシンプル。シックでおしゃれでさえあります。昭和18年にこんな気の利いた装幀をするのは誰だろうと、どこをひっくり返して見ても装幀者の名前はありません。どうも花森安治らしいな、と思って奥付の発行所を見ると「翼賛図書刊行会」です。花森安治は昭和16年から大政翼賛会で宣伝の仕事に従事していますから多分間違いないのでは?ちなみにこの本の奥付は暮しの手帖社の本の奥付でおなじみの、子持ち罫で全体を囲む形になっています。



花森安治の装幀については、みずのわ出版から「花森安治装釘集成」が出ているほどですからその評価は高いです。この装幀も取り上げられているか、一度調べてみたいと思います。



ちなみに尾崎喜八の喜八という名前は、父親が実業家の大倉喜八郎を尊敬していて、その名前を息子につけようとして役所に届けたところ、係の人が「郎」をうっかり落として「喜八」と登録してしまったからとの事です。



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