LP愛好家座右の書 その2

さて、鱒書房版「LP事典」。ほぼ真ん中あたりに奥付があるという変則的な構成です。つまり前半が縦書きの演奏篇で藤田不二さんが担当。後半が横書きで技術篇として高城重躬さんが書いています。

前半の最後には200ページ以上のクラシックLP演奏家名鑑が付いていて重宝です。その部分を含めて演奏篇全体は1200ページ強あります。

内容がこれまた濃い。急速に普及した33回転クラシックLPレコードの、海外盤も含めて、めぼしいものは残らず網羅され論評されています。つまり昭和28年9月までに出た殆んどのLPの、一大俯瞰図ともいえる内容です。

クラシックSPの世界では、隠れもない「銭形平次」の作者、野村胡堂こと野村長一さんが野村あらえびすのペンネームで名著を沢山残してくれていて、いまだに参考書としての価値を失っていません。代表作が「名曲決定盤」で、こちらはSPレコード全体の俯瞰図でしょう。このひともあらゆるSPはすべて聴いたと豪語していましたから、当時の権威は絶大だったと思われます。

この「LP事典」は、そこまでのカリスマ性はありませんが、徹底性という点では、いささかも劣っていないと思います。当時の海外の批評誌などからも引用をして、客観性、資料性の維持に配慮をしているところが貴重です。現代曲など、親しみの薄い曲には、スペースを惜しまず、楽曲解説を前面に出して詳述します。バルトークのヴァイオリン協奏曲では、2段組みで5ページ半にわたる解説です。

後半の技術篇では、高城さんが蘊蓄を傾けてハイファイとは何かを微に入り細をうがち論じます。自作派の為の回路図が満載です。この高城さんという人は、私の記憶では高校の校長まで勤めて、定年後に、大ホール演奏用のスタインウェイのフルコンサート・ピアノを自宅に設置して楽しんだ人と覚えています。名手だったらしい。1部屋ほどの大きさのバックロード・ホーン・スピーカーを設計、愛用した人とも聞いています。音楽再生装置が、まだまだ人間臭い要素を一杯残していた時代の、ある種の名人でしょうね。

この人の技術篇が約500ページ弱。

本当に読み応えがあります。


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