偉いな、筑摩書房
新聞によりますと(古いですね)、筑摩書房さんが又しても快挙を成し遂げました。
企画立案から40年越しに、「能楽大事典」を完成、出版したとのことです。昨日の読売新聞の「顔」欄で、編纂者の小林責さんが紹介されていました。勿論、編纂、執筆に携わった方の御努力が大きいのですが、出版社と編集者の忍耐も十分賞賛すべきでしょう。
筑摩書房は以前にも、「本居宣長全集」や「世界文学大系」のように、完結に20年以上かかったシリーズが幾つかあり、その粘り強さは会社の伝統といえると思うのですが、今回は、そのような大規模な巻数の本ではなく、1000頁を超すとはいえ、1巻の書物です。
小林さんも記事の中で「よく出版社があきらめなかったねえ」と語っておられますが、その長い年月は、編纂者、執筆者、編集者(多分、何人ものリレー)の固い信頼、良い本を出すのだという信念の下に毎日が積み重ねられた結果なのでしょう。
ネット上に流れている情報を、適度に整理すれば、短期間に誰でもが専門家のような顔をすることが可能な現代に、こういう本が出たという事を、私はただただ古本屋の店主として、敬服するのです。
これは古本でなく、新本で買いたい一冊です。
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2012年1月31日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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