翻訳は進む

以前、コナン・ドイルの事を書いた時に、シャーロック・ホームズ物の新訳も続々出て、よく読まれている話をしましたが、エラリー・クイーンの作品も、このところ新しい翻訳が次々と出ているようです。



私がクイーンの推理小説にハマっていた頃は、創元推理文庫の鮎川信夫訳の4部作や井上勇の国名シリーズの翻訳で親しんだのですが、それ以後、「Yの悲劇」に限っても、角川文庫の田村隆一、ハヤカワ文庫の宇野利泰、集英社文庫の鎌田三平、そして講談社文庫の平井呈一とにぎやかです。



4部作の主人公、探偵役のドルリー・レーンは元シェークスピア俳優で、上品で知的な人物像です。その語り口調の一部を各訳で見てみましょう。



「これはどうもブルーノさん、わかりきったことと思っておりましたよ」鮎川訳



「いや、ブルーノさん、そんなことは、あらためて言うまでもないことだと思っていたのですよ」田村訳



「ブルーノさん、その点でしたら、じつはわたし、説明しなくても明白だと思っていました」宇野訳



それぞれ微妙に違いますが、基本的な印象は端正で、あまり変わりはないです。ところがこれが平井呈一の手にかかると



「いやだよ、ブルーノ君。そんなこたあ、わかりきってらあね」



まるで江戸の下町のご隠居みたいになっています。訳者のセンスで、主人公のイメージがガラリと変わってしまいます。



今の新しい読み手のお好みはどれでしょうか。



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