勧進帳の肝心な点
テレビで久しぶりに歌舞伎十八番の「勧進帳」を見ました。「忠臣蔵」と並ぶ人気演目で、1時間ちょっとという上演時間も適度で、古来、名優の名演が目白押しです。
筋を楽しむ演劇として、また長唄の音楽劇として、また舞踊劇としても楽しめます。先代や当代の松本白鸚、先代尾上松緑、十二代目市川團十郎達の豪快な華麗な弁慶に比べて、今回の片岡仁左衛門さんの弁慶の演技はより写実的と言うか、より演劇的な側面を強めた演じ方と思いました。
ただ、弁慶は良かったのですが、富樫や義経を演じている若い役者さん達の芸が物足りません。なにより歩く姿が軽くって危なっかしい。だんだんに良くなるのでしょうが。
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2020年6月29日 | コメント/トラックバック(0) |
番外 ちょっといい話
市で仕入れてきた本などを整理していたら、休日の一日はたちまち過ぎます。台風の被害にあわれた地域の方たちには休日も何もあったものではなく、お気の毒です。
日本は自然災害が多いので、古くからことわざや対処法などが言い伝えられています。今日も今日とて、歌舞伎役者の十五世市村羽左衛門について書かれた戸板康二の文章の中に、羽左衛門の地震対処法が書かれていました。
「地震が来たなと思ったら自分の体を自分で揺らすのさ。そしたらちっとも怖くなくなる。そのうち地震が止んでしまうんだ(大意)」と言っていたそうです。
勿論、地震の程度にもよるでしょうが、江戸っ子で洒脱な羽左衛門らしい、ちょっといい話のように思いました。
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役者さんの雑誌にみる記憶力の話
役者さんには筆の立つ人が多いです。
森繁久彌さんや中村伸郎さん、芥川比呂志さんや池部良さんの名前がすぐに浮かびます。
書くのが好きなだけでなく、雑誌の編集までやってしまった人がいます。
文学座の手堅い脇役俳優だった宮口精二さんです。
この人が一人で創った季刊雑誌「俳優館」は、肩の凝らない随筆や対談、回想などが貴重な雑誌です。演劇好きの人にはこたえられない内容の雑誌ですが、あまり知られてないのが残念です。
拾い読みしていると時間が知らない間に経っています。たとえば竹柴蟹助さんという、歌舞伎の狂言作者の回想「黒衣から見た名優たち」では役者の記憶力の話が書かれています。歌舞伎役者の背後からセリフを付ける(プロンプターとしてセリフを小声で教えてやる)話です。大体、初日から三日程で覚える人が多いとの事です。
六代目尾上菊五郎や五代目中村歌右衛門など名優たちは覚えが早かったそうです。中でも、初代市川猿翁は抜群だったとか。
この人、今の市川猿翁さん、つまり宙乗りやスーパー歌舞伎で一世を風靡した三代目市川猿之助さんのお父さんです。ということは、そうです、半沢直樹から倍返しを食らった香川照之さんのお祖父さんになるのです。
逆に覚えが悪かったのが七代目松本幸四郎。松たか子さんのひい祖父さんです。
新作などではセリフが全く入らなかったと書かれています。全部後ろで付けたのですね。日蓮上人の役の時、「南無妙法蓮華経」というセリフがあり、これは知っているだろうと「南無」とだけ教えてやると「南無」だけ言って黙っている。仕方ないので「妙」というと「妙」だけ言う。結局全部付けたと、呆れたように書いていました。
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2013年10月18日 | コメント/トラックバック(0) |
惜しい、團十郎さん
歌舞伎の十二代目市川團十郎さんが亡くなられました。江戸歌舞伎の荒事を継承する第一人者でした。
成田屋らしい大きな目と鼻が特徴で、独特の鼻にかかったような発音は、やや明晰さには欠けましたが、雰囲気のある人だったと思います。
「助六」「勧進帳」「毛抜」などのお家の芸は、やはり風格がありました。小器用なところが無く、棒のようなところが見えましたが、素直で明るく大柄な芸風で、六世中村歌右衛門さんなどもそういうところを評価していたようです。
「暫」の鎌倉権五郎等の荒唐無稽を破たんなく演じきる大きさが最大の魅力でしょう。「鳴神」の上人役も、神々しさよりは、純情な学生のような雰囲気を感じさせて秀逸。
「やっとことっちゃー、うんとこなあ」と力一杯の声を挙げての「暫」での花道の引っ込みが懐かしいです。
中村屋に続き、成田屋宗家の死は、新しい歌舞伎座の誕生を直前に控えた歌舞伎界にとって、ショックと言う言葉さえ足らないほどだと思います。
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2013年2月5日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:歌舞伎
中年からの飛翔
某国営テレビの放送ばかり取り上げるようですが、先日、市川猿翁さんと息子さんの市川中車さんのドキュメントを放送していました。厚生書店さんがブログに書かれていましたが、私も見ました。
猿翁さん、つまり先の市川猿之助さんの闘病しつつの鬼気迫る演技と、中車として初めて歌舞伎の大舞台に立つ香川照之さんの緊張。このお二人の襲名披露とその後の舞台裏を追いかけた、見ごたえのあるものでした。
御病気の為、普段はしゃべる言葉もいささか不鮮明、動作も介助が要る猿翁さんが、ひとたび舞台に立てば信じられないほど声に力がこもり、付け打ちに合わせた見得も見事に決まる様は、流石に一世を風靡した役者の風格を漂わせていました。
一方の中車さんも、初めての父と共演の舞台を、「山門五三桐」の山門の場、石川五右衛門役で見せてくれました。澤瀉屋の型でしょうか、市川宗家などの派手な舌出しはしない、抑えた演技でしたが立派なものでした。観客総立ちの喝采は感動的でした。
中年から歌舞伎の舞台に立った例は、明治の名優九代目団十郎の女婿で、後に十代目団十郎を追贈された市川三升の例が思い出されます。もともと銀行員だった人で、「助六」の髭の意休役が当り役だったそうですが、悲しいかな幼少期の訓練が無かったので、最後まで発声が悪いという評価が付きまといました。
それに比べれば、香川さんは映画俳優として立派な業績を積まれています。名優の遺伝子をしっかり持っておられるので、歌舞伎でのさらなる活躍が期待されます。
ちなみに、古本屋と言う舞台には、中年から立つ人が多いようです。
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2013年1月9日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:歌舞伎