希少な遺産
二、三日前、車のラジオをつけると、ブラームスのバイオリン協奏曲の第3楽章の終わりの辺りが聴こえました。
バイオリンは堂々として巨匠風で、熱情的かつ技巧的にもしっかりしていて素晴らしい演奏です。それなのに、伴奏のオーケストラが妙に頼りなく、ひょろひょろして、学生オーケストラかアマチュア・オケみたいな音です。独奏と伴奏の質がアンバランスです。録音も古めかしい響き。
これはいったい、どんな組み合わせの演奏なのか、興味津々でいると、独奏が諏訪根自子さん、オケが東宝交響楽団、1949年の録音とアナウンスされました。
NHKのアーカイヴズに保管されていた音源との事です。諏訪さんは去年三月に亡くなられていたのですね。
諏訪さんはヨーロッパに留学中、ゲッペルスからバイオリンの名器(ストラディバリウス?)を贈られたとかの話があります。ヒトラーやゲッペルスは、自分たちは音楽愛好家である、というイメージをばらまいていましたが、この諏訪さんの逸話には日独伊の言葉が浮かんできます。
戦後は第一線での演奏活動をされなかったようですが、初めて音を聴いた私の感想は、残念、です。
もっと録音を残してほしかった。
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2013年7月1日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:音楽
ホルンと壺
今年も常滑の陶芸家、片岡誠さんから「片岡誠 陶展」のご案内をいただきました。
片岡さんは1963年に常滑にお生まれになり、名古屋芸術大学音楽学部を出られた方で、ホルンを吹いてこられました。
大阪のタワーレコードにお勤めの時、ひょんなことから知り合いになり、拙宅にもお遊びいただいたりしました。
もっぱらクラシック音楽が接点のお付き合いでしたが、1997年に突然、郷里の常滑市立陶芸研究所にはいられ、陶芸の道に進まれました。
元々ご実家の御祖父さんが陶芸家だったので、隔世遺伝の血が騒いだと見えます。以来、陶芸一筋で、着々と実績を挙げておられます。2010年には念願の窯を設けられ「磊龍窯(らいりゅうがま)」と命名されて、益々ご精進されています。
自然釉、灰釉の壺や酒器等、てらいの無い大きな作風です。
ホームページも作っておられますので、一度ご覧ください。
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2013年5月22日 | コメント/トラックバック(0) |
スリリング・イタリア
自慢じゃないが海外旅行未経験です。多分死ぬまで日本の地べたしか知らずに終わりそうです。
そのためか、ひと様が書いた旅行記を読むのは好きです。
大阪組合の若手イケメン、梁山泊大阪店の店長がブログで書かれているイタリア・パリ旅行記は、近頃私の愛読ブログのナンバーONEです。
スリリングな実体験、異邦での感情の高揚、自分を見つめる目、そのどれもが生き生きした文章で綴られ、写真も豊富で楽しい。
自分を飾らない、事実を曲げない、この点において、この人以上の書き手を私は知りません。梁山泊さんのヨーロッパ旅行のアドバイスは、信じるに足る、まさに鉄案です。
しかし、イタリアはスリルがありますね。
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2013年4月5日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:雑感