鏡花は現代むき
何の気なしに、傍らに積んであった「鏡花全集」の月報をパラリと見ていると泉鏡花家の茶の間の写真が目に入りました。
天井が写っているのですが、白いテープみたいなのが平行に張られています。
鏡花の潔癖症は有名で、天井板の隙間から埃が落ちるのを嫌い、天井板の継ぎ目を紙で目張りした事は知っていましたが、写真では初めて見ました。一寸異様な光景です。
彼は黴菌を極端に恐れ、刺身などの生ものは絶対に食べなかったとか。酒の燗も沸騰する状態にしたそうです。
畳に手をついてお辞儀する時は、掌ではなく手の甲をついたといいます。オキシフルに浸した脱脂綿を常に持ち歩き、ドアのノブなどはこれでひと拭き。
キセルの吸い口には、紙のカバーをかぶせる。これなんか、かえって不潔な気がしますがね。
ともかく病的な潔癖。
除菌除菌が合言葉みたいな現代は、彼には合っているかもしれません。
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2014年5月29日 | コメント/トラックバック(0) |
日本一巡り
先日、古い絵葉書の事を書きましたが、実は新らし目の観光地絵葉書も大き目の段ボール箱に山盛り、引き取ってきたので、今日少しチェックしました。
この世界にも流行り廃りのような事があるようです。
圧倒的に多いのがケースに大きな金文字で名所地名や、神社仏閣などの名前を書いたもの。
日本全国、北海道から沖縄まで、ほとんどの観光地の絵はがきはこのパターンで揃います。時代的には高度成長期か。ともかく目立とうとしている。
その別バージョンは金文字は同じですが、地名に「全集」をつけて、「能登全集」や「白浜全集」、「鳥取砂丘全集」などとしたもの。凄いですね。全集にしちゃった。出版界の「全集」ブームにあやかろうとしたのか。数的には少ないので、ひょっとすると貴重かも。
その金文字全盛時代の後だろうと思いますが、うってかわって、カバーケースは白になります。
横版、白地に黒で地名、真ん中に小さめの写真と、シンプルです。早く言えば札幌銘菓「白い恋人」の函によく似たデザイン。多分影響を受けてるでしょう。これも不思議な事に、北から南まで軒並みこの様式。
製作を請け負っている会社が同一パターンを各地に使っているのでしょうね。
観光絵葉書も集めると色んな事情が見えてきて面白いです。
軽く日本一周した気分になりました。
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2014年5月10日 | コメント/トラックバック(0) |
太陽を待つ
昨日はオーク200古本祭りレジ当番の2日目。
お客様の数は連休最終日ということで少なめでした。が、買い物カゴ一杯にされるお客様も沢山おられ、心強く思いました。
会場のオーク200広場は高層ビルの間に挟まれていますので、太陽が角度によっては姿を見せて温度を上げてくれます。
それをひたすら待つほど、昨日も寒い瞬間がありました。
春を呼ぶ大相撲大阪場所も終わり、地元力士豪栄道の活躍が目立ち、大阪もこれからますます暖かくなることでしょう。
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2014年3月24日 | コメント/トラックバック(0) |
映画パンフでタイムスリップ
先日仕入れた雑誌に混じって、大量の映画パンフが出てきました。
ほとんどが1960~70年台の洋画で、店主が見てきた映画とかなり重なります。
「時計じかけのオレンジ」「ひまわり」「ライアンの娘」「ブリット」「鳥」「恐竜時代」エトセトラ
「そうそう、この映画見たな」とつい読みふけったりして整理がはかどりません。
昔のだだっ広い映画館の大きなスクリーンが懐かしい。
映画が始まる前に、盛り場のお店のコマーシャルが流れたりしたものです。
映画が終わると、まだエンド・クレジットが流れているのに、スクリーンの両脇から薄いベールみたいな幕が閉じてきて、場内が明るくなる。
あー、と背伸びして、良かったと思ったか、損したなと言う気持ちになったのか。
薄いパンフレットを眺めながら懐かしい気持ちに浸りました。
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2014年3月4日 | コメント/トラックバック(0) |