大きいことは良いこと?!
今日9月12日はマーラーの交響曲第8番がミュンヘンで作曲者自身の指揮で初演された日ということです。
御存じのようにこの曲は、別名「千人の交響曲」と呼ばれています。演奏に巨大編成の管弦楽団と何組もの合唱団、児童合唱団が必要とされています。
初演に協力した弟子のブルーノ・ワルターの回想録によると、初演の演奏が終わると大喝采の中、マーラーは何をおいても児童合唱団の立っているところまで、上って行って、子供ひとりひとりと握手を交わしたとのことです。
それにしても千人とはすごい。実演ではその半分以下ですることもままあるらしいですが、大阪で本当に千人でやった指揮者がいます。
御存じ朝比奈隆さんです。大阪フィルの第百回定期演奏会だったと思います。ステージが人間の重量で底抜けないか、慎重に計算したらしいです。ライブ録音も残されていますので、興味がある方はお聞きください。
大阪はやる時はやるんです。
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2011年9月12日 | コメント/トラックバック(0) |
なんか似ている
買取では、思いもかけない本が付いてきます。「ついでに持って行って」ということでしょう。車のスペースに余裕がある限り積んで帰りますが、結局、余分の労力になりがちです。
先日も「こち亀」が30冊ほど入ってきました。なんと175巻まで出ていたのですね。連載開始から35年ですと。立派ですね。私がサラリーマンになり始めの頃、単行本が出始めたと思います。仕事をさぼって喫茶店で一休みしていた時に読んだ記憶があります。
久しぶりに読んで感じたことは、やっぱりマニアックなディテール描写が圧倒的だということです。さいとうたかお氏並みの情報収集チームがあるのではないか。
不思議なことに、群衆場面での背景人物の体の書き方が楳図かずお氏とよく似ているとも感じました。総じて中心キャラクター以外の人間が(特に男性が)楳図さんのタッチに似ています。胴長で顔も面長で丸みがあり、マンガというより、写実的デッサン風。
マンガはいいですね。池崎書店は、マンガによっては、積極的に買取いたします。お気軽にご連絡ください。
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2011年9月9日 | コメント/トラックバック(0) |
天牛新一郎さんの話 付録
感動的な話をもう一つ。
これは、永六輔氏の「奇人変人御老人」という対談集に収録されているので御存じの方も多いでしょう。
天牛さんはその中で、本の万引きは絶対に捕まえなかったとおっしゃっています。
たかが本一冊のために、捕まえることによってその人の人生を全く変えてしまうことは、できないと言っておられます。
これは、よほど根性、腹が据わってないと出てこない言葉と思います。現にその時点ではご自身がまだお店に居られたわけですから、すごい。
この対談の出だしの所での永氏とのやりとりも面白い。うろ覚えで再現しますと、
永「何を召し上がられますか?」
天牛「結構でございます」
永「でも、何かご注文ください」
天牛「では、、、、お茶をいただきます」
永「ここはお食事をお出しするお店ですので」
天牛「、、、、、それでは」
永「はい」
天牛「お茶を」
永「(笑)」
すがすがしいですね。
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2011年9月7日 | コメント/トラックバック(0) |
天牛新一郎さんの話
一度は、天牛新一郎さんの話をしておきたかったのです。いつもお世話になっている当代天牛書店社長天牛高志氏の祖父に当たられる方です。
私がまだ大学生、いや、ひょっとしたら高校生の終わり頃でしょうか。なんば角座の前のお店に、天牛新一郎さんは元気に座っておられました。
常に嚢中乏しい私の買う本と言えば、店頭の五十円均一本。百円均一本。あれこれと選ぶ楽しみは格別でした。時たまバイトでお金が入った時などは、店内の本も買えたと思います。ともかく一冊か二冊を手にしておずおずとカウンターの中の天牛さんに差し出すと
「へ、おおきに」と頭を下げられて、ちらと裏の見返しを見て「○○円でございます。ありがとさんで。これちょっとお包み」と隣の店員さんに渡されます。包装された本を手にお店を出るときに、また「ありがとうございます」と声をかけていだけます。何日かするとまた行きたくなったものです。
こう書いているだけで、その時分の天牛さんのお顔や声の記憶がありありと甦ってきます。横には大抵、蒐文洞尾上政太郎さんが居られたと思います。尾上さんがやたらと大きい、しかし聞き取りにくい声で何か言われると天牛さんは、
「へえ、さいでっか、えらいもんだんなあ」という感じで、穏やかに受けておられました。
当店のお客様で、天牛さんの思い出話をしてくださる方がおられます。その方からお聞きした話。
あっと、これはまた次に。
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2011年9月5日 | コメント/トラックバック(0) |