買取余情
本をお売りいただくことはとても有り難いことです。
お客様も色々な方が居られます。部屋の中がすっきりしてせいせいしたという人もおられるし、本の事を色々と語る人もおられます。人生を経るうちに、各時代で色んな本がたまって来たという方が多いと思います。何らかの感慨をお持ちだろうとお察しすることも多くあります。
今日買取させていただいた方は、くくり作業中はほとんど別室に静かに居られました。本を積んだ車が出発すると、いつまでも玄関先で見送っていただきました。引っ越されるとお伺いしました。今日まで一緒に家にあった本を見送っていただいたのです。こういう時、力一杯に買わせていただいたかと自問しないでは居れません。
ありがとうございました。
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2011年9月11日 | コメント/トラックバック(0) |
ありがとうございました。ツインタワー21即売会終了しました。
本日9月10日にてОBPツインタワー21即売会、無事終了いたしました。
会期中は多くのお客様にご来場いただき、また、お買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。
会期初めは悪天候でしたが、後半はお天気にもめぐまれました。お探しの本は見つかりましたでしょうか。
終わるなりで恐縮ですが、来年1月の同即売会の日程予定が決まりました。
平成24年1月21日(土)~1月28日(土)
上記予定につきましては、細目決まりましたら、このホームページでお知らせしたく存じます。
今はちょっと、予定表の片隅にお書きください。
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2011年9月10日 | コメント/トラックバック(0) |
厚い本入荷
分厚い本が好きで困っています。1000頁を超えるとそれだけでうれしくなります。
殊に好きな分野でそんな本があれば、重複大歓迎です。何冊だって欲しい。
入荷した「LP事典」はまさしくそういう本。約1700頁。一人でどっしり立っています。
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2011年9月8日 | コメント/トラックバック(0) |
天牛新一郎さんの話 その2
そのお客さん(仮にK氏とします)が大学生の頃ということですので、かれこれ50年ほど昔の話でしょう。
K氏がある日、天牛書店さんで一冊の本を見つけられて買おうとされました。書名は覚えてないが三木清の本だったそうです。帳場の天牛さん、本を受け取られて、ちらと表紙を見られるなり、
「あんた、この本読みなはんな」と言われたとのこと。
K氏は咄嗟には意味が呑み込めず、聞き直されたそうです。返事はやはり
「この本、読んだらあきまへん」
そこで天牛さんは段々と理由を話されたそうです。
戦後すぐの頃、敗戦のショックからか、生活難もあるかも知れませんが、哲学的にも煩悶して、多くの若い人が自ら命を絶たれたことに天牛さんは心を痛められたらしいのです。そして、そうした若い人の多くが三木清の著作に親しんでいたことが天牛さんの記憶に重く残り、K氏が買うのを制止されたとのことでした。
「三木さんの本読みはって、若うて死んだ人、ようさん知ってますよって」
多分若かりし頃のK氏は、本ばかり読んで悩んでいるガリガリの哲学青年に見えたのでしょう。
この話をK氏から聞かせていただいた時、感動したことが忘れられません。
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2011年9月6日 | コメント/トラックバック(0) |