休んでください

小澤征爾さんが2月6日に亡くなられていたとのことです。私がクラシック音楽を聴き始めた頃、彼のレコードが少しづつではじめました。それも大手と言われるCBSやRCAやEМIからですから驚きました。私達の世代では、欧米の有名レコード各社から日本人の演奏家がレコードを出すことは大事件でした。それを小沢さんが初めて成し遂げたのです。



それどころかアメリカのいろんな名門オーケストラの常任指揮者に次々と就任し、一方ではヨーロッパでの活躍も華々しく、ついにはウィーン国立歌劇場の音楽監督にまでなりました。日本での活動も力を抜くことなく、サイトウ・キネン・オーケストラを立ち上げ、後進の指導にも全力を尽くし成果を挙げられました。



モーレツサラリーマンの音楽版みたいな生き方でした。彼が日本製のスクーターを提供してもらって、それで単身、ヨーロッパを走り回りブザンソンの指揮者コンクールで優勝したのがそもそもの始まりでした。小田実の「何でも見てやろう」に時代的にも一脈通じるものがありました。体当たりなんですね。計算した上の体当たり精神。



彼が日本の若手指揮者をボストンで指導していたとき、彼が与えたチャンスに対してその若手の取り組み方が消極的だと、その人をきつく叱ってこう言ったそうです。「自分(小澤)は与えられたチャンスを見逃したことは一度もない」



まあ、いつ回ってくるかわからないチャンスをモノにするためには、不断の努力が大切なことは言うまでもありません。外国で日本人が音楽の世界で成功するためには、努力とチャンスが同時に必要なことを彼は身を持って示していたのです。



音楽へのひたすらな献身でした。ご冥福をお祈りします。



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