「2022年1月」のアーカイブ

近頃、続けさまにお医者さんが難をこうむる事件がありました。痛ましい限りです。

私は幼い時は病弱で、お医者さんとの縁が切れませんでした。肋膜炎で、幼稚園から小学3年位まで往診や通院が絶えず続いたのです。当時は世間一般に、お医者さんへの敬意の念が今と比べるとはるかに強かったように思います。私は自分を診てくれていたお医者さんに恐れに近い感じをを持っていました。

「お医者様」という言い方が普通にあった時代でした。職業に「様」がつくのはお医者さんくらいだったと思います。いわばシュバイツァーがお医者像だったような時代です。

少し変わり始めたのは山崎豊子の「白い巨塔」がベストセラーになった辺りからではなかったでしょうか。それから武見太郎の日本医師会ぐるみの保険医総辞退による政治への圧力、日本初の心臓移植の問題、などなど、医者を始めとする医療界が現実と鋭く切り結ぶ状況が多く報道されるに連れ、大きく分けて医師側と患者側の立ち位置が、同じ平面になってきたように思います。それにしても昨今のような事件が起こるなど、想像もできませんでした。

昔が良かったという意味ではありませんが、本当に大変な難しい時代になったと思います。

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昨日、1月29日は有名なバイオリニストで作曲家のフリッツ・クライスラーの命日でした。1962年に亡くなっていますから今年は没後60年になります。バイオリンの名曲「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」などの作品は、どなたもどこかで一度は耳にしていると思います。

クライスラーについてはちょっとした思い出があります。私の友人に、以前、タワーレコードに勤めていて今は介護のお仕事をされている人がいます。泉佐野市の上ノ郷というところのご出身です。彼はクライスラーに惚れ込んで、クライスラーに「塹壕の四週間」という、第一次世界大戦の従軍記があることを知りました。昭和13年に翻訳されていたのですが、容易に手に入りません。自分で翻訳したいと思い、なんと翻訳権をかなり以前に取得したのです。

権利は意外と安かったと彼から聞いた記憶があります。先程、「塹壕の四週間」を検索すると、翻訳が鳥影社から去年の7月に出ていました。訳者の名前が違っていましたので翻訳権を譲られたのだと思います。泉佐野市からクライスラーの本が出たら良いのに、と思っていたのでちょっと残念でした。でも、新たに日本語で読めるようになったのは嬉しいことです。

お勧めします。

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まもなく2月になります。2月になると私学の入試も始まり、中旬から3月にかけては会社関係の転勤や配属、離職など、学校の入学予定、卒業など、人の動きが活発になります。コロナの心配は尽きませんが、社会のそうした動きも止めることは難しいです。

運送業方面もよほど早くから予約などの手配が必要になります。それを機会に本の整理もお考えになることと思います。かさばる本などのご整理は早いに越したことはありません。

そういう時は古本屋の出番です。お早めにお気軽にお電話、メールなどをいただきますと、お客様のペースやご予定に合わせてお伺いさせていただくことができます。ぜひとも池崎書店にご連絡をお待ち致しております。

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昨日はモーツァルトの誕生日でした。誰だったか忘れましたが「あなたにとって死とは」と聞かれて「モーツァルトを聴けなくなること」と答えた人がいたと思います。

幼年時からその音楽的才能は飛び抜けていて、父親が音楽家だった為もありますが、早期から才能教育ですくすくと育ち、各国の宮廷を回っては御前演奏で評判を高めました。当初はそのバイオリンやピアノの演奏の巧みなことで称賛を得たのです。父親のプロデュースが良かったためもあります。

その一方で王侯や名のある貴族に作品を献呈しては、それぞれの宮廷で安定した恵まれた地位を得ることをこの親子は最大の望みとしていました。しかし当時の王宮や貴族は微妙に結びついていて、なかなか親子の望むようには簡単に事は運べませんでした。貴族間のお互いの牽制も有ったみたいです。そしてモーツァルトの人間性の評判も決して良くなかったようです。

結局、父親も死んで一人になったモーツァルトは、自分の家族のためにオペラなどで一発を当てに行き、満足すべき完璧な成功を見ずして志半ばで短い生涯を閉じました。作曲家や演奏家はいくら優れていても芸術家として尊敬される時代ではなかったのです。

人にもまれ俗世間に疲れた寂しい男の姿が、その類まれな美しい音楽の影に浮かんできます。

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オミクロン株のコロナが流行っています。毎日、日本全国の都道府県で過去とはレベルの違う患者発生数がニュースになっています。ただ、1年前では、ニュースのトップはほとんどがコロナ関係でしたが、最近は、患者数が異常な割にトップの扱いにはなっていないようです。

古本屋の事例で言いますと、例えば京都府の昨日の新規コロナ患者数は2216人でしたが、これが一年前では、100人を超えたら古書即売会は中止やな、という雰囲気が濃厚でした。大阪も数字は500～600人くらいのレベルで、同じ感じでした。現に中止になっていました。

ところが現在では、一日一万人に近づいても、予防を徹底したら何となく開催できそうやな、という空気が支配しています。亡くなられる患者さんの数がまだ比較的に少ないから危機感が薄いためでしょうか。コロナという感染症自体が日常化したためでしょうか。よくわかりませんが、そんな中、2月に開催予定だった中之島公会堂での「水の都の古本展」が早々と中止を決定されました。

見識のある決断と思いました。

藤井寺市の古本出張買取は池崎書店にお任せ下さい。

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