不思議な全集

いろんな出版社があります。文芸書出版に強いところや学術書専門、美術書や音楽書、経済書や法律書など各分野にその出版社の特徴がよく出ます。



学習部門では旺文社や小学館などが有名ですが、これらは普通の総合出版社みたいな様相になっています。学研もその中に入ると思います。



この学研という会社が私にはよく分かりません。百科事典や美術全集、文学全集などが大流行だった頃、学研も一応はその流れに乗ってそれらを出すのですが、妙に力こぶが入ってちょっと変わった全集になっています。



学研版「世界文学全集」の1冊を手に取ると、巻頭16ページがカラーの文学アルバム、その次に作家、評論家が、その1冊に収録されている作家、作品との関わりや鑑賞を写真満載で書いたページが30ページほど。巻末にも解説や年譜などが50ページほどあり、結局、収録作品本文以外に合計100ページほどが付録的なものになっています。学習雑誌に付録を沢山付ける的な感覚で編集したのでしょうか。



こういうのが全50巻ですから、その努力はすごいです。元々が文芸出版社ではありませんから、既存の翻訳書もないですから、どうも新たにを翻訳してもらったような気配が、全集の内容一覧を見ると感じられます。どうやら大変な費用をかけているらしい。



編集委員が面白いです。普通、文芸出版社が世界文学全集を出す場合、編集委員には各外国文学研究の大学教授の名前がずらりと並ぶのですが、この学研版は五木寛之、遠藤周作、北杜夫、三浦朱門と尾崎秀樹です。斬新ですね。



世界美術全集も学研から初めて出すにしては、大掛かりなものを出しています。「大系 世界の美術」と言って、持つのも重いような本になっています。全集出版に慣れた河出書房が、手を変え品を変え、同じような美術全集、文学全集をちょちょいと簡単に続発したのと対照的です。



学習物の出版社というのは基本的には真面目で融通が効かないのでしょうかね。そして付録を付けたがるのも会社のカラーでしょうか。



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本の虫

何となく空気が入れ替わりつつあるようです。夜にはあちこちで虫のなく声が聞こえてきました。



よく聞くと、1匹、玄関の中あたりで鳴いているみたいです。玄関は本を積み上げた柱がびっしりと立ち並んでいますから、虫にとっては隠れ場所になりますが、あまり良い所でもないでしょう。



昼間にでも玄関を開けておいて、自然に出て行ってくれるのを待つしかありません。本の虫は、人間だったら古本屋のいいお客様ですが、本の間に隠れている虫はどうもね。

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2023年8月30日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:古書

寒がり

昨日書いた太宰と志賀直哉の大喧嘩の元は、志賀直哉がある座談会で太宰の「斜陽」や他の小説を上から目線でけなしたのにあります。太宰の言いたかったことは、小説家はもっと謙虚であるべきだということだったと思います。



まあ、志賀直哉にしても、若い頃から偉そうだったわけでもありません。年齢が少しづつ、元からあった尊大さをむき出しにしてきたのだと思います。



彼が若い頃編集した「白樺」の編集後記には、吹き出すようなことを書いています。彼は若い時分から寒がりで、その編集後記には、寒い朝などは大女を探してきて、その背中にねんねこで背負われていたい、11時位にはそこから抜け出るから別にいいだろう、などと書いています。



また、別の後記には、友達の家などに行って帰るときに雪など降ってきたら嫌だ、帰りたくない、そういう時には温かい布団に寝たままで担いで帰ってくれるカゴみたいなのがあったら良い、なんてことも書いています。



これらはかなり本気で書いているから面白いです。そういえば、戦後の志賀直哉の写真には室内なのに襟巻きをしているのが多いです。他の人達は普通にしてますから、彼だけ目立っています。



やっぱり寒がりは死ぬまで続いたんでしょうね。



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啖呵

昨日、太宰治のことを書きましたが、太宰といえば私は志賀直哉を思い浮かべます。太宰が最晩年、志賀に対して捨て身のような喧嘩を売ったことは有名です。容貌への非難、戦争協力に対する非難、小説の書き方への非難、言葉遣いへの非難、出自への非難など、あらゆることに絡んで絡みまくりました。



散々愚弄する言葉を書き並べた挙げ句、志賀が小説の中で「お殺せなさいますの」という言葉遣いをしたのを取り上げて、「太宰などお殺せなさいますの?売り言葉に買い言葉、いくらでも書くつもり」と尻をまくったようなタンカで締めくくっています。これを発表してまもなく、太宰は心中を遂げたのでした。



私はこれを読んだ時、議論の当否はともかく、太宰の見事な言葉の操り方、ネチネチした悪口に唖然としたことを覚えています。それでもなお、太宰の方に味方したい気持ちを今でも捨てかねているのです。



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猫みたい

この頃の若い人は、昔の文学全集で偉そうにしていた人の本はあまり読まなくなった気がします。文豪と名がつくような人物ですね。森鴎外や谷崎潤一郎、島崎藤村などなど。明治生まれの人達です。



大正や昭和初期に活躍した作家などもあまり読まれません。有島武郎や佐藤春夫などもパッとしない。ところが井伏鱒二や葛西善蔵、尾崎一雄や上林暁、木山捷平などは大モテと言ってもいいくらいです。もう少し下って戦後作家になるとこれまた軒並みだめです。唯一三島由紀夫だけが根強く読まれています。



戦前から戦後にかけての作家で、最も安定して読者を持っているのは私が見るところ、太宰治が群を抜いていると思います。彼は活きた言葉の魔術的な使い手です。難しいことは一切言わずに胸の中に入り込んでくるような、猫みたいなところが彼の文章にはあります。



初期からそれは変わらないのですが、後期の口述筆記が多くなると、ますますその柔軟さが発揮されて一種独特の文体になり、それが今でも人を引き付けるのでしょう。



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