子供向け、学生向けの辞典を見るのは好きです。主として英和辞典ですが、もう一度やり直したいという気持ちがどこかにあるのかもしれません。なにより、最近のものはカラー化が進んでいて見ていて楽しくなります。



大体、巻頭はカラー特集で図鑑みたいになっていて、生活のいろんな場面が漫画やイラストで描かれていて、英文が付いています。こういうパターンは最近だけかと思っていたら、そうでもないようです。





上の本は昭和38年に初版を出した旺文社の「英語入門辞典」の巻頭カラーページです。こんなに早くから、このパターンがあったみたいです。多くのカラーページの中、家のいろんな場所の説明図ですが、バスルームがまるで日本の風呂場みたいです。バスタブというのが判らない時代だったのですね。



こういう感じの痒い所に手が届くみたいな初心者向けの辞典、面白いですよ。



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続 社史とは?



さあ、異色の社史と書きましたが、「新潮社四十年」という社史の何が異色かというと、出来上がった速さです。そのあとがきのページは「新潮社四十年」編纂係の名のもとに次のように書き始められています。



「この「四十年」は話が始まってから一週間の間に拵へたものである。而も「日の出」新年号で眼がまはる忙しい最中の仕事である。これこそ超スピードであった。」びっくりしますね。会社の社史を出すのを、来週飲みに行く計画みたいなノリで決めちゃったみたいです。



巻頭には社長である佐藤義亮のあいさつ文、続いて菊池寛をはじめとする文士たちのお祝いや思い出話などが10本、続いて佐藤社長の「出版おもい出話」が約100頁、新潮社出版年史や図書年表が約100頁、全244頁で、上の写真のように、装丁もきれいな堂々たる本です。



これがわずか1週間ほどで出来るものか、信じられない気がします。あとがきにはさらに「巻末の「図書年表」は非常な手数だった。これも三日の間の調査だから、多少の脱落重複がないとは云へない。印刷所はこれが亦新年号でお話にならぬ忙しい中を、よく働いてくれた。お陰で期限に間に合った。同じことは製本所の諸君にも言わなければならなぬ。」と、多少の間違いは仕方ないさ、みたいに開き直ってえらそうに書いています。



期限に間に合ったと書いていますから、期限がまずありきだったのでしょう。たった1週間しか日数がないような期限、だれが決めたんでしょうね。



社史の編集発行のスピード記録間違いないでしょう。



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社史とは?

社史という本があります。ちょっとした会社ならば創立25周年、50周年、80周年など、きりがよく縁起がいい年まわりに合わせて出版したりします。まあ、会社の伝記、自叙伝という感じですね。



一時、古書業界でも結構な値段が付いたりしましたが、なにせ重厚長大を絵にかいたような大きさ厚さのものが多く、昨今はあまり人気が無いようです。その会社の社員でさえ読まないで、もらった途端に古本屋に持ってゆくというケースもよくあったとか。



社史を開くと最初にその会社の社長や会長の写真がデーンと載っています。たいてい苦虫をかみつぶしながら微笑んでいるというような不思議な表情のおっさん、おじいさんでげんなりします。あとは創業者の苦労話や、戦前戦中戦後、苦労しながら社屋を建てたり、支店を作ったり、従業員が増えて行ったり、今はこうですというのを多くの写真やグラフなどを交えながら書くというパターンです。



文章は味もそっけもない、事実を列挙するだけみたいなのが多いです。というのも大体が、社内で社史編纂係を委嘱するという辞令が出て、何年以内に出せという命令を受けて、通常業務をこなしながら時々会社の倉庫にもぐりこんで埃まみれの資料を探し出しては時系列に整理し、それを文章化してゆく、という過酷な作業の結果として完成させるわけですから、面白いものになるはずがありません。担当者としたら、社長の御覚えが良くなるくらいのメリットかな。



大会社になると社員だけには任せておけないと、その業界の有名な研究者や大学の教授などに外注して、ほとんどをまかせてしまうという方法もあります。まあこれも歴史的、史料的には正確を期すことにはなるでしょうが読んで面白いものになるという保証はありません。



だから関係者以外は、経営史の研究者だとか系統的に集めている大学しか欲しがりません。しかし、中には例外もあります。出版関係の会社の社史です。これは餅は餅屋でプロですから、出し方も読書家たちの心理をよくわかっています。



講談社の「講談社の歩んだ五十年」などは上下巻合わせて1000ページ近い大冊ですが、昔の社員、編集者の談話をとってきてそれを巧みにつなぎ合わせることによって、一種の裏から見た文学史、文壇史みたいな面白さのある社史にしています。筑摩書房も創立30年を記念して社史を出しましたが小説家の和田芳恵が執筆して味わいがあります。



ちょっと異色なのが新潮社の「新潮社四十年」です。               



この項続く



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漫才さん

1996年1月21日に漫才師の横山やすしが亡くなりました。ちょうど30年前です。やすきよの漫才で一世を風靡しました。



全盛期の漫才の舞台では楽しそうな感をしていますが、あの細い体をぴょんぴょんさせて、まるて彼だけが熱いフライパンの上にいるみたいに見えます。



彼は意外とたくさんの本を出版しています。そのほとんどが「人生、負けたらいかん!」ということしか述べていませんが、ある意味すっきりしています。しかし、第2作の「まいど!横山です ど根性漫才記」は不適切な表現があって回収騒ぎになったり、やはり問題児ぶりを発揮しています。



あまり好きなタイプではなかったですが、最後の姿の映像など見ると、生の高座を見たりしていましたのでかわいそうな気がします。



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没後50年

1月12日はイギリスの探偵小説作家、アガサ・クリスティの命日です。1976年に亡くなりましたから今年でちょうど没後50年になります。



ミステリーの女王と言われ日本でも愛読者は無数でしょう。作品数も恐ろしく多いです。しかもその質が平均して高いことも驚異的です。「アクロイド殺人事件」「そして誰もいなくなった」「ナイル殺人事件」「オリエント急行の殺人」など有名なところは若い頃に読んだか、読んだ気になっていますが、今でも、彼女の未読作品を読みかけるとやはり引き込まれるのですね。



春にして君を離れ」という作品がハヤカワ文庫から出ています。これを推理小説というには無理があるかもです。殺人も暴力も警察も登場しません。恵まれた主婦(?)が一人の旅行の途中、過去の自分の人生、特に結婚以後を振り返りながら、あの時のあのことはどういう意味があったのか、あの人の言ったことの真意は?と、とめどなく思い出しては疑い始めてゆくというお話です。



まあ、サスペンス感は十分にあります。不思議なけだるい感覚が、熱にうなされている悪夢みたいで、私は最近読んで、やっぱりすごいストーリーテイラーだと、改めて感心しました。



没後50年という事は私が20歳あたりの時代まで元気に書き続けていたのだと思うと、すごいおばあさんやなと思います。



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