22年と言葉

昨日9月11日、ニューヨークの貿易センタービルのテロ事件から22年が経ちました。22年前の夜、NHKのニュースの生映像でビルの火事と伝えられていたのですが、燃えているビルの後ろのビルに飛行機が突っ込んで来る映像を見て、愕然とした記憶があります。アナウンサーも全く事態が分からずに戸惑っていました。



そして今日まで、事態は根本的には全く解決せずにいます。人間というものは、極限的には通行不能なのか、考えざるを得ません。そんな時、サン・テグジュペリの言葉が目に入りました。「ある人質への手紙」という作品の中にありました。



サン・テグジュペリはパイロットでしたから、かなり危険なところにもでかけています。スペイン内戦当時、アナーキストの国民兵(?)たちが駅で秘密物資の積み込みをしているところに出会って捕らえられます。アジトに連れてゆかれ、分からぬ言葉で尋問されます。彼らの疑いが解けぬので、やがて殺されるだろうと思います。



ふと、近くの兵士がタバコを吸っているのを見て、ほほえみながら煙草がほしいと手真似をすると、兵士もほほえみました。やがてその微笑みは他の兵士にも伝わり、結局、サン・テグジュペリは助かったのです。



彼はそのエッセイの最後に書いています。



「ぼくたちは、言語を超え、階級を超え、党派を超えて、ほほえみのなかで再び結ばれるのだ。或る人間にはその人間のならわしがあり、ぼくにはぼくのならわしがあるが、ぼくたちはそういう姿のままで、同じ教会の信者なのだ」   「ある人質への手紙 母への手紙」サン・テクジュペリ著  みすず書房



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懐かしい雑誌

音楽之友社から永年、月刊誌として出されていた「レコード芸術」が先月出た7月号で休刊となりました。実質、廃刊です。1952年の3月創刊ですから、私とほぼ同年齢ですので感慨深いものがあります。



私が同誌を初めて手に取ったのは多分、中学生の頃だったと思います。クラシック音楽を聞くのが楽しくなってきて、レコードを買い始めたときでしょう。たしかアンセルメのレコードが表紙になっていたと思います。「レコード芸術」誌の新譜月評などを参考にして、当時高額だったレコードを買ったのだと思います。



分厚い雑誌でしたから読みがいがあり、半分はレコード会社やオーディオ関係の広告でしたが、余すところなく読みふけった記憶があります。社会人になってからは購入することはほとんど無くなり、たまに書店で立ち読みするのが関の山でした。



ネット時代になりクラシック関係の情報もリアルタイムで氾濫しだしたのが、購読者が減った大きな要因の一つでしょう。往年の、レコード会社各社が色んなオーバーな宣伝文句を誌面に溢れさせた広告ともども、新譜月評の推薦、準推薦などの評価方法なども懐かしい思い出になってゆきます。



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休刊

音楽之友社が出している雑誌「レコード芸術」が今年の6月で休刊になるそうです。私が生まれた1952年3月の創刊ですから71年続いた雑誌です。



昔のLPレコードは高価で、サラリーマンが月に1枚買うのがやっとという時代、推薦盤の紹介がどんなに音楽愛好家に歓迎されたか、今では想像することができません。音楽鑑賞という趣味の場でも玄人と素人の違いが厳然とあった時代でした。



ところが今のように、ネットでほとんどのソフトに大量に誰もが接することができる時代、誰もが評論家になれるわけで、CDの国内新譜月評の権威は無くなったも同然になりました。海外盤や、特殊な音盤の紹介などに特化しようとしたらしいですが、時すでに遅し。



私達の世代では休刊は残念、しかし止むを得ないなという感想です。私が最初に「レコード芸術」を手に取ったのは1968年ころだったと思います。指揮者のアンセルメの顔が表紙だったことを覚えています。乏しい小遣いの中から、1000円前後の廉価盤を選ぶ指針として、とても参考になった記憶があります。



思えばかわいい時代でした。



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岸和田市へ出張買取

昨日は岸和田市の山手の方へ出張買取でした。以前お伺いした御宅です。



今回も70年から80年代の自動車雑誌、箱に入った大量のミニカー、昔懐かしのアニメのソノシート入りソノラマブック、沢山のEP盤、訳がわかりませんがバービー(?)人形などをお譲りいただきました。



いずれも大切に保管されていたものです。次の方にバトンタッチさせていただきます。運び出しもお手伝いいただき、元気ドリンクまで頂戴しました。ありがとうございます。



岸和田はどこへ行っても祭りに協力してもらった人や会社の名前を掲げる大きな掲示板が、各町内に立てられています。祭気分がいやが上に高まっています。



三島郡島本町の古本出張買取は池崎書店にお任せください。

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どんな顔を

昨日は叔母の満中陰の法要を大阪市内の天満別院で営みました。少し暑さを覚えるほどの好天に恵まれ、出席は3名のミニマム法要でしたが、滞りなく努められてホッとしました。



浄土真宗の法事で私が好きなのは「白骨の御文章」の読誦が聞けることです。法然のこの名文は聞いていていつもその音楽的な言葉のたゆたいに酔わされつつ、かつ、冷厳な教えに満ちています。今回は特に「一生すぎやすし。今に至りて誰か百年の形体を保つべきや。」のくだりに当時の厳しい生活環境に思いを馳せました。「人の一生はあっという間である。今の世で、100歳になるなんて、誰ができようか。」ということでしょう。



でも、このたび亡くなった私の叔母は100歳ですし、その母親(私の祖母)も100歳で亡くなっているなんて、法然が聞いたらどんな顔をするでしょうか。



大阪市西区の古本出張買取は池崎書店にお任せください



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