漱石鴎外龍之介

大正5年の今日12月12日に夏目漱石の葬儀が執り行われました。享年49歳ですから、今から考えるとその若さに驚きます。子供は大勢いましたが、まだまだ幼くもちろん孫はいませんでした。なんだか孫の10人もいそうなと思うほどその人物像は老成していました。



葬儀の受付に芥川龍之介が立っていて、その芥川に、葬儀に駆け付けた森鴎外が名刺を渡しています。名優が3人そろったみたいですね。6年後に鴎外が亡くなり、さらにその5年後に芥川も自殺してしまいます。つまりたった11年の間に3人の大作家が亡くなったわけです。



3人が3人とも死後に岩波書店から全集が相次いで(鴎外だけ少し遅れますが)出されます。何かすごい偶然ですね。



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懸案が片付く

先日月曜日の古書会館での市会で仕入れた本達の中にちょっとうれしい本が混じっていました。筑摩書房刊の世界古典文学全集中の「老子 荘子」の巻です。



この全集は世界の主だった古典に限った全集で、1964年に刊行を始めて、この「老子 荘子」で約40年後にやっと完結したわけです。筑摩書房は時間のかかる全集を辛抱して完結させる事で有名です。「本居宣長全集」なども時間がかかったことでは指折りです。



この「老子 荘子」巻も註釈担当者が凝って、その挙句亡くなったので、他の人が引き継いだので時間がかかったそうです。私もこの巻以外は早くから揃えて持っていたのですが、この「老子 荘子」の巻だけが抜けていたのでした。「日本の古本屋」で探すと、出品はされているのですが、軒並み2万円前後しています。



手が出なかったのですが、今回無事安く入手出来て、何か懸案が片付いたような気分です。



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こんな日もある

昨日は、100冊を少し超える規模の全集の中の1冊を探すことになりました。それが有る場所はわかっています。あけ放たれた押し入れに積み重なっています。もう一組、別の100冊単位の全集がその前に積みあがっています。つまり手前の全集を少しづつ崩しながら奥にたどり着いて探そうというわけです。



ある程度ひもでくくっていたら話は早いのですが、全部バラバラ。1冊が4,~500ページあって箱に入っていますから何冊かづつつかみだしては後ろに積み上げてゆきます。後ろにも本がありますから、その上にのせてゆくので不安定極まりありません。時々、体を動かすひょうしにその不安定な本の山に当たって崩れたりして一向にはかどりません。古本屋の倉庫の作業とはこんなものです。



目的の全集が少しづつ姿を見せてきますが、背文字には探している巻はありません。半分ほど探したらその巻がひょっこりと見えてくるだろうと考えていました。経験的にそうしたケースが多いからです。が、甘かったようです。とうとう一番奥の一番下にその巻を見つけた時は汗だくだくになっていました。



よりによって一番奥の一番下。こんな日もありますね。



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2025年9月19日 | コメント/トラックバック(0) |

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ぴちぴち

何度か日本文学全集のことを書きました。日本人の全集好きはその出された数を見ても明らかです。古くは昭和初頭から最近まで続いています。その沢山の中でも、異色と言えるのが昭和40年前後に集英社が出した「新日本文学全集」全38巻です。



普通の日本文学全集は大体大雑把に作者の生まれ順に第1巻から割り振られています。第1巻二葉亭四迷集とか坪内逍遥集、真ん中あたりに川端康成集など。最終巻が大江健三郎や、阿部公房など、という感じですね。ところがこの全集、巻立てがあいうえお順なのです。第1巻阿川弘之・庄野潤三集、第2巻鮎川哲也・仁木悦子集、第3巻有馬頼義集、第4巻有吉佐和子集、第5巻石原慎太郎集、第6巻井上靖集、第7巻梅崎春生集ときて最後は第38巻吉行淳之介集となります。実に奇抜です。



まあこれは、収録した作家たちがほとんど差がなく同年配なので、致し方なく五十音順にしたのだろうと思います。学校の教室の出席簿みたいな感じです。身長がわかれば身長順というのも面白いかも。



そして今少し並べただけでも分かるのですが、この全集で初めて全集に取り上げられて、以後、どの日本文学全集にも収録されない作家が目立ちます。第2巻、第3巻がそうですし、他にも西野辰吉、源氏鶏太、高木彬光、島田一男、佐野洋、南条範夫、大原富枝などという作家が収録されています。一口で言うと、推理作家や大衆小説作家が大勢取り上げられているのです。



「新」と銘打っていますから、夏目漱石や島崎藤村はありません。戦後に活躍し始めたぴちぴちした作家たちを積極的に収録しているのです。



古本でもあまり見かけませんから、売れなかったのでしょうが、ユニークさでは抜群の日本文学全集だと思います。電話帳みたいな(古いね)あいうえお順にアイデア賞をあげたい。



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2024年10月24日 | コメント/トラックバック(0) |

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古典

昨日は参加している市会の当番市の日でした。若い同人さんが2名加わっていただき、パワーアップして元気な雰囲気の中、さくさくと開札が進みました。新版のカント全集やキケロ選集などが良い値を呼んでいました。



硬い本は売れなくなったと言われつつも、売れるのです。つまり中途半端な硬い本は売れませんが、古典中の古典などの、学問的に新しく筋の通った翻訳、注解の充実した本は評価されるのです。当たり前といえば当たり前過ぎますね。



途中で失礼して新大阪に娘と孫たちを迎えにゆきました。春休みなので帰ってきてくれました。古典も良いですが、ピチピチした生命力も有り難いです。



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