病院へ持ってゆく

入院中は暇だから読書やDVDを楽しめるかと思っていたら、意外とそうでもなかったです。やっぱり病気が病気でしたから、身の行く末を考えたり、目前の仕事をどうしようかと思ったりで、案外ぼんやりしてしまうのです。そこへ、検温や血圧測定やレントゲンや血液検査や、などがひっきりなしに入り込みますから結構忙しい。



結局DVDはアメリカのTVシリーズの「Xファイル」と「ホワイトハウス」を各1シーズンとか、フランス映画の「恐怖の報酬」「北ホテル」を見た程度です。結構見てますかね。特にM・カルネ監督の「北ホテル」は感心しました。各俳優が見事で、特にルイ・ジュヴェの抑えた演技にしびれました。セットも素晴らしくバリの北外れの町のうらぶれた佇まいが、おフランスでした。



本は歳時記にしようかと思ったのですが、山本健吉が編集した「日本詩歌集」という800ページを越す分厚い文庫サイズの全集端本を持ってゆき、楽しめました。記紀万葉の古典から現代詩歌まで、和歌、俳句、狂歌、民謡、川柳、詩、短歌などが収録され、スキマ時間の拾い読みにもってこいです。



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変な全集

買取にお伺いすると、お客様の御都合で、どうしても持って帰ってほしいという本を、買い取る本と一緒に出されて困ってしまうことがあります。半ば条件みたいに持ち出されると、断ることもできません。



先日も、平凡社の「世界名作全集』をごっそりと持ち帰りました。全70冊と別巻が3冊付いていました。ご存じの方もおられると思いますが、平凡社が昭和33年から昭和36年頃にかけて出した、当時流行りの文学全集の一種です。これは世界文学と日本文学が一つの全集に混在しており、おまけに判型が文庫サイズ、それでも布装の厚表紙、箱入りという、空前絶後というべき内容と外見の全集です。かなり変わっています。



百均などの棚や台で一度くらいはご覧になったことが有ると思います。濃い小豆色の装丁で一冊が実に分厚い。そこへさして世界文学の大長編、「ジャン・クリストフ」や「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「風と共に去りぬ」「静かなるドン」「大地」など、日本文学では「源氏物語(現代語訳)」や「夜明け前」「人生劇場」などを全3冊や全2冊で収録したものだから、他の作家たちは一人一作品みたいな収録のされ方で、これも不思議な感じでした。



いま、大長編のラインアップを挙げましたがこれもよく見ると、他社の全集ではあまり見かけない作品が混じっています。尾崎士郎の「人生劇場」です。これを2冊を使って収録するのは実に珍しい。「クゥオーヴァーディス」「エジプト人」各1冊などという、他の全集には絶対に収録されない作品もあります。昔はこの2冊だけ古書価が高かった記憶があります。



この全集は他にも「家なき子」や「アルプスの少女」「若草物語」「小公子」「子鹿物語」「風の中の子供」「三太物語」などの児童文学も多数収録していて、当時の朝日新聞の書評欄で「お子様ランチ」と揶揄された、と平凡社の社史にも書かれています。私なら、デパートの大食堂、と言いたいところです。



ともかく変な全集ですが、今となってはそのユニークさがかえって貴重かもしれません。月報も力を抜かずに毎巻8ページで挟み込まれています。



お客様に、私の全集好き、厚い本好きを見透かされたみたいな気がしますが‥。



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月報の編集後記は語る

以前にも書いたかと思うのですが、私、実は文学全集好きなのです。

特に世界文学全集やら日本文学大系などといった大風呂敷が特に好きです。

それらに挟み込まれた月報も貴重ですが、各巻月報の終わりの辺りに置かれている、「編集後記」や「編集室だより」といった出版社の自画自賛の文章が面白い。

第一回配本から第十回配本まで辺りのそれらの文章はだいたい判を押したように、「編集室に、本全集に対するお誉めや激励のお便りをたくさん戴いており感激しています、これからも予定通りの配本を目指します云々」の類が多いようです。とても元気です。

これが後の方の配本、つまり全集が完結に近づくにつれ、「配本が遅れがちになり申し訳ありません、なるべく早くお届けしたいと思いますので、もうしばらくお待ち下さい」という哀願の調子になってくる。特に本邦初訳、新訳を誇らしげにうたっている世界文学全集の類ではかなりの確率でそうなります。

まるで忙しい時期の蕎麦屋さんみたいな言い訳です。「作ってるところです」「いま出ます」ですね。

つまり翻訳が難しい巻は配本順を最後の方にしていても、それでもなおかつ遅れてしまうのです。逆に言うとそれを読みたいと、待っている読者のイライラもつのってきます。

手元にある「筑摩世界文学大系」全102冊(昭和33年3月に第1回配本)の最後の方の月報はそういう苦しい言い訳ばかりでまことにお気の毒。

やっとあとは「ディケンズ」と「論語」と「コンラッド」の3巻を残すのみになったというのが昭和41年9月の時点です。月報には「間もなく訳稿完了いたします」と書かれています。まさに「いま出るところ」です。

ところがドッコイ、次に「コンラッド」が出たのが何と昭和42年12月。蕎麦なら伸び切っていますよ。しかも勝手に内容が変更されて当初収録が予定されていた目玉作品が収録されていません。天ぷらそばを頼んだら天ぷらが入ってなかったのと同じです。「ノストローモ」という作品が翻訳できなかったみたい。内容見本を見てこれを楽しみにしていた人の人権はどーなる?と言いたいですね。

次の「論語」は昭和43年3月。最後の「ディケンズ」はそれから更に1年以上経って、昭和44年7月に出ました。これでやっとこさ、めでたく完結。

最後の月報には、当然あるであろうと思われた編集後記すらありませんでした。その代りか、お詫びとお礼の書かれた小さな紙切れが挟まっていました。

当時の大学紛争のあおりをモロに受けて、先生方が翻訳どころではなかったんだろうと思いますが、「完結したんやから文句ないやろー、コラ」的な開き直りにも見えます。




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弥太郎さんをなだめる

筑摩書房刊「明治文学全集」は全集の値崩れ激しい現代でも、ある程度の相場を保っています。

編纂方法に筋が通っていて、他に代えがたい内容だからでしょう。

その中の一冊、「明治記録文学集」に収録の横山源之助著「明治富豪史」は関係者からの聞き書きが貴重で、面白いです。

三菱創始者の岩崎弥太郎が癇癪を起こすと家では誰もなだめられず、家中戦々恐々で手がつけられなかったとか。そこで、弥太郎の気性を飲み込んだ芸妓が夜中でも本郷の屋敷へ、人力車差し回しで呼ばれたそうです。

部屋に入ると百目蝋燭を4,50本、明々と灯した中に弥太郎が一人あぐらをかいてうつむいて黙って座っていて、前に銚子が何十本も並んでいる、という殺伐とした光景だったそうです。

大富豪になるような人は、なかなか気難しいのでしょうね。このお姐さんは酒の相手をしながら上手に弥之助の気持ちをほぐしたと書いてありました。


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ぼやく月報

全集本などに挿んである月報が面白い事は何度も書きました。

最近も愉快なのに出くわしました。昭和はじめ頃に出ていた「日本名著全集」に「書物愛」と題された月報が付いています。

滑稽本の巻では、出版社の色々な自慢やお願いが満載です。

「またしても(配本が)遅れましたが、総紙数千三百頁、その内容の凝り加減、これでは遅れるのも無理でないと思召さるる事と、出来て見てわれ乍ら驚いて居ります」

「お蔭様で(予約)会員は益々増加致しますが、まだ足りません。現在数二万七千五百人では、どうしても十呂盤(そろばん)がとれません。ゼヒとも三万にしていただき度いと念願に堪へません。三万に達すれば、そこでピッタリ締切って、どなたの、如何なる御縁故関係の御紹介でもお断り致します。どうぞ、三万に達せしめて下さい。もう少しのところです」選挙の立候補者みたいです。

「会費を生真面目に送って下さらぬ方のあるのには、一番閉口致します。そちらにしては高々一円七十二銭のことですが、こちらにしては其手数といひ、カードの整理といひ、とてもやりきれません。無精をなさらずに、当該事務の者をして、愉快に敏速に仕事の進行をさせるやうにして下さい」と滅ッ茶ぼやいています。無精はいけませんね。

「そこで困るのは発売禁止の懸念さるるものについてであります。例へば次回配本の「田舎源氏」の如き、どうかと心配して居りますが、会費さへお払込みおき下されば‥‥と思ひます。その辺御高察下すって、この事業を益々順調に向はしめて下さい」微妙な書き方ですね。「‥‥」の使い方が絶妙。たとえ発禁になってもこっそり送りますよ、という事かしら。ただし会費は払えよ、と釘刺すところは商売上手です。

出版社と読者の橋渡し役である月報の面目が躍如としています。


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2015年3月28日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:古本 文学全集

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