隆さん

昨日、2月28日はフランス文学者の辰野隆の命日でした。1964年に亡くなりましたから没後60年です。彼は東京駅や日銀本店を設計した建築家、辰野金吾の息子でした。



自身は東京大学文学部のフランス文学科を出て、母校の教授として大勢の人材を育てました。その中には渡辺一夫や小林秀雄、今日出海、太宰治、福永武彦、大江健三郎など、綺羅星のような人材にあふれています。小林秀雄などは辰野隆からしょっちゅう本を借りて行ってはページの間にフケをいっぱい挟んで返したそうで、そのフケを払い落とすのがひと仕事だとぼやいたとのこと。



また、座談の名手としても有名で、天皇の前で徳川夢声、サトウハチローらと放談したのが「天皇陛下、大いに笑う」という記事にもなったくらいです。またエッセイストとして沢山の著作を残しています。大学の先生で随筆全集のようなものを出したのはこの人が初めてだそうで、それ以後、同種の出版が続きました。



まあ、良き時代の名物教授だったわけです。



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厳しい

昨日は小切手、手形を扱う当座預金の話をしましたが、午後3時の攻防は今思い出しても感慨が深いです。前にも書きましたように、振り出した小切手や手形はいずれ決済しないといけません。小切手ならば早ければ次の日、手形は決済日を記載しますからその日、大体1~3ヶ月後くらいにする人が多かったですね。



その日の窓口営業が終わる午後3時までには当座預金の口座に、その日に回ってきた金額を入金しないといけません。これがなかなか厳しいものがありました。2時50分ころに窓口へ来てもう少し待ってくれ、と泣きつくお客さんがかなりいました。いま、融通を頼んでるからとか、集金がもうすぐ入るからとか、中には、その手形や小切手を回してきた人、つまり債権者に頼んで手形や小切手の依頼返却してもらうからとか、色々なことを言ってくるのです。



依頼返却とは、その手形や小切手を入金した人が取引銀行を通じて、こちらの銀行に連絡を取って翌日、交換所を通して向こうに返却することです。手形小切手につける付箋に「依頼返却」と書くのですが、実質的には不渡りの一歩手前の段階です。でもこういうことを繰り返すお客さんは、いずれは本当の不渡り、つまり付箋に「資金不足」という言葉を書いて返却することになるのが多かったです。



不渡りを2度出すと銀行取引停止処分になって、手形帳や小切手帳を発行してもらえなくなります。つまり現金商売しかできなくなりますから、資金繰りがますます困難になって結局倒産します。



まあほとんどの古本屋は不渡手形を振り出すことも掴まされることも多分無いので、のんきな商売です。



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2024年2月28日 | コメント/トラックバック(0) |

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手形

手形の話です。と言ってもお相撲さんが色紙にバンバン押してゆくあの手形ではなく、商売上の支払い、決済手段としての手形です。私は昔、信用金庫に勤めていた時、当座預金係をしたことがあるので、手形や小切手は毎日触っていました。



手形も小切手もその日の決済分がお昼頃に手形交換所を通じて各支店に戻ってきます。つまりそのお店に当座預金口座を持っているお客さんが支払った手形、小切手がそのお客さんの口座から引き落としのために交換所から返ってくるのです。逆に、お客さんが自分の口座に入金した手形や小切手が相手方の金融機関に回って行っているわけです。



その仲立ちをするのが手形交換所です。最近、その交換所が電子化されていたのを知ってびっくりしました。つまり手形や小切手の映像情報をやり取りするだけになっていたのです。詳しい仕組みは知りませんが、当座係の仕事は減ったでしょうね。



何しろ昔は現物の手形や小切手が、月末など多いときには一日に何百枚と返ってきますから、忙しい。口座番号順に素早く並べて番号順に並べている元帳を引っ張り出して、それについている印鑑票と印鑑照合し、形式が整っているか確認して手打ちの会計機に元帳を挟んで手形小切手の金額を打ち込んで、1枚づつ口座の残高から落としてゆくのです。



たっぷりと口座に残高があれば良いのですが、当座預金は無利息ですから、そんな悠長なことをしているお客さんはいません。当座預金係から「今日は幾ら幾ら回ってまっせー」という電話をかけると、「そんなら普通預金から回しといて」とか「貸付係に言うたあるから」とか「すぐに行きまっさ」とか「ちょっと待って」とか勝手なことを言い並べます。そんなのにまともに付き合ってられませんから、ともかく連絡だけはして、あとはひたすら引き落としに専念するのです。何しろ午後3時までにすべての引き落としを完了しなければなりません。午後3時までに入金されなければ不渡りとして手続きを進めないといけないのです。



電子化によって当座係のこんな悲喜劇は見られなくなっているかもしれませんね。少し寂しいかも。



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2024年2月27日 | コメント/トラックバック(0) |

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芸術院

先日、新しく芸術院会員に推挙された人たちが報道され、その中に萩尾望都さんと筒井康隆さんが入ってました。漫画家と小説家ですが、大雑把に言うとお二人共SF畑と言っていいでしょう。



筒井康隆さんはお若い頃は何度も直木賞の候補になりながら受賞せず、その鬱憤をあからさまに小説にしたり、日記として発表したりされていました。寄席の例えでいうと正統な落語が芸術で、手品や漫才、音曲物などは色物として、一段低く見られていた時期がありましたが、SFはまさに文壇では、そんな扱いを受けていたとおっしゃるのでした。



それが「夢の木坂分岐点」が泉鏡花章を受賞した辺りから評価が変わってきて、新潮社の純文学書き下ろし作品シリーズで「虚航船団」を出して完全に文壇の正統的位置を占めました。



それが今回は芸術院会員です。筒井さん本人はおかしくてたまらないだろうと思います。筒井さんご自身は書くものも考え方も変わっておられないからです。



つい先日、最後の小説を発表されたばかりですが、そんなことを言わずに、相変わらずのショッキングな作品を芸術院会員として発表していただきたいものです。



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黒岩さん

今日は作家の黒岩重吾の100回目の誕生日です。大阪、天王寺を舞台にした作品をたくさん書かれました。また後半は、日本の古代史に題材をとった歴史小説を残されました。



波乱にとんだ生涯で、若い頃はイカモノ食いのグループに入って、腐った肉を食べて体が麻痺し、仕事もできなくなり占い師で生計を立てた時期もあるとか。



歴とした大阪出身の作家ですが、言葉とかも東京人と余り変わらなかったそうで、コテコテでないのが少し残念です。



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