裏の芸

先ごろ、テレビのニュースキャスターで評論家の俵孝太郎さんが亡くなりました。私どもの世代では、「こんばんは、俵孝太郎です」で始まるニュース番組でおなじみでした。



ニュースキャスターを辞めてからはあまりマスコミには登場しなかったのですが、1991年に「気軽にCDを楽しもう」という、クラシックCD名盤案内の本を出されてびっくりしました。これが好評だったのか、合計3冊出されました。それ以外にも外資系CD店が毎月出すPR雑誌にも、クラシックCDのコラムを亡くなられる直前まで連載されました。



それらを読んでみると、そこらの音楽評論家顔負けの、古くからの筋金入りのクラシックファンであることがよくわかります。表芸の政治評論には全く読む気をそそられませんでしたが、彼の推薦するCDには、なるほどと納得することがよくありました。



その本の中で彼が書いていた、眠りに誘う秘訣が面白い。眠れないときは「俺が持っている交響曲全集は何があったかな」と数え始めるとのこと。Aから順にアッテルベリ、アリアーガ、などと行くとベートーヴェンあたりで眠くなるとのことでした。



クラシックCDのコレクターはお試しあれ。



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秋山さん

指揮者の秋山和慶さんがお正月に自宅で転倒されて重傷を負い、現在入院をしておられますが一昨日、引退を表明されました。お怪我がなければ、84歳というご高齢ですが日本各地のいろんな交響楽団での公演予定がびっしりという御健在ぶりを示しておられましたので、誠に残念です。



斎藤秀雄のお弟子さんで、小澤征爾さんと共にサイトウ・キネン・オーケストラを率いて世界中で演奏されました。カナダのいくつかの交響楽団で常任指揮者を務められるなど、早くから世界を股にかけて活躍されていました。



私も秋山さんには思い入れがあります。それは若い時に、自分でもよく似ているなと思うほど、顔が似ていたことです。20歳くらいの頃一度、大阪の毎日ホールかサンケイホールか忘れましたが、その出入り口ですれ違ったことがありました。あの若白髪はよく知っていましたから間違いないと思います。先方さんも、おやっという顔で一瞬私の顔を見た気がします。



一日も早いご回復をお祈りいたします。



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2025年1月25日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:古本 大阪 買取 音楽

エフエム大阪さんで

昨日はエフエム大阪さんの「くらこれ!おしゃべり音楽マガジン」という番組の収録見学に夫婦でお邪魔しました。この番組にはつい最近、栞書房さんと共に古本屋のゲストとして呼んでいただいただきました。



今回、古本好き、音楽好きとしても有名な橋爪節也阪大名誉教授がゲストで出られるので、番組企画のくらこれ企画代表者、吉川智明さんがお会いできるように声をかけてくださいました。吉川さんは四天王寺の古本まつりのエフエム大阪さんでの告知でいつもお世話になっています。



吉川さんと橋爪先生の対談、音楽もとてもよかったのですが、収録前後に橋爪先生と音楽やいろんなことをお話しさせていただいて、その蘊蓄、博識に驚きました。そこらの音楽評論家そこのけです。



途中から、同じエフエム大阪さんの番組「大人の文化村」のメインキャスター、野杁育郎(のいりいくろう)さんもおみえになってにぎやかにお話が盛り上がりました。



楽しい時間、ありがとうございました。



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35年前

35年前の今日、昭和天皇が亡くなりました。何か月も前から重体が続いていました。初めて経験する天皇の死でした。



その日を境にテレビやラジオは追悼の音楽に満たされました。一番よく流れていたのがバーバーの「弦楽のためのアダージョ」だったと思います。歌舞音曲が自主規制されている中、西洋音楽であるこの曲や、ベートーヴェンの第3交響曲の第2楽章「葬送行進曲」が大手を振って、という表現は変ですが、マスコミ業界の暗黙の了解みたいな中で流されるのは少し違和感を覚えました。



作曲者のバーバーは葬式のための音楽ではない、と自分のこの曲の事を言っていたとのことですが、ケネディの葬儀の時にやたら流されたので、そうしたイメージが付いてしまったらしいです。つまり葬儀の時にかける流行音楽だったわけです。



日本独自の哀悼の音楽もありますが、知られていません。ドイツ人のお雇い外人が明治時代に作曲した「哀の極(かなしみのきわみ)」という曲です。昭和天皇の時にも奏されました。その時、初めて聴いてそれ以来聴いていません。



始終流すわけにもゆきませんからね。



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2025年1月7日 | コメント/トラックバック(0) |

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岡本さん

1924年の12月26日に歌手の岡本敦郎さんが生まれました。今年で生誕100年です。私の小さい頃は彼の歌声がラジオからよく流れてきました。



「あこがれの郵便馬車」「高原列車はゆく」などがヒットしました。何となく軽井沢的な曲想のためか、私の中では岡本さんは福永武彦とダブっています。そういえば眼鏡の細面の顔も何となく似ています。



背広をきちんと着て誠実そのものという歌い方で、明るい声をお茶の間に届けてくださいました。



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2024年12月25日 | コメント/トラックバック(0) |

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