吉田さんを糾弾
森本恭正者「日本のクラシック音楽は歪んでいる」光文社新書刊という本を読みました。2024年に出た本です。日本の西洋音楽の演奏家、作曲家、批評家、教育などに対して猛烈に攻撃しています。著者は永らく欧米で作曲、指揮活動をされてきた人です。
手っ取り早く言えば日本人の、西洋クラシック音楽の今までの受容、鑑賞、演奏、批評はほとんど無意味に近いと断じています。絶望していると言っても良いかもしれません。この人によれば西洋音楽の成立、発展にはヨーロッパの言語、社会、思想などあらゆることがかかわっていて、本来、日本人には理解不能に近いのだそうです。
逆に言えば日本の邦楽が西洋人に正しく理解されることが不可能なのと鏡写しだそうです。当たり前と言えばその通りです。有名な評論家、吉田秀和さんなどもこの書の中では罵倒に近い言葉で裁かれています。
私の部屋には多くのクラシックCDがありますが、ちょっと聴き方が変わるかもしれません。でも森本さんは、素人衆は勝手気ままに楽しめばいいのであって、糾弾されるべきは西洋音楽をプロとして扱っている人達だと言っているので一安心です。
古本 買取 大阪
タグ
N響に感謝
昨日のNHK交響楽団演奏会のテレビ放送のおまけとして、50年から60年前の演奏会録画の抜粋が流されました。指揮者はサヴァリッシュ、カイルベルト、マタチッチの3人でした。いずれもN響の名誉指揮者として讃えられた人たちで、私も若い頃はテレビで欠かさず見た記憶があります。
映像には過去の首席奏者たちの演奏姿が写っていて時代を感じました。演奏全体は現在のN響の精緻な響きはありませんが、代わりに生き生きした、一種の出たとこ勝負みたいな思い切りの良さが目立ち、ノスタルジーでしょうがいい時代だったなという気がしました。
N響は100周年だそうですが、こうして過去の映像を見ていると、放送を通じてだけでしたが、60年ほどはずっと聴き続けてきた大切な音楽体験だったんだなと、感謝せずにおれません。
古本 買取 大阪
タグ
2026年4月6日 | コメント/トラックバック(0) |
真の天才
今日はベートーヴェンの命日です。今年で没後199年。来年は没後200年ですから、多分盛大な催しがあると思われます。と言っても、CDでの作品全集はほぼ完璧なものが幾つも出ていますので、その方面でのさらなる売上増は期待できないでしょう。
楽聖として奉られている人ですが、その晩年は苦労の連続でした。自分の子供という気持ちで面倒を見て、その実の母親と法廷闘争を繰り返してやっと親権が認められた甥のカールとはうまくゆかず、自殺未遂まで引き起こされます。
耳は通常時はほとんど聞こえなくなりましたが、骨伝導の原理を用いてピアノに棒を当てて、その端を口にくわえることによってかなり聞こえたという話が残されています。それで後期の、全く誰も思いつかないような、不思議な浮遊感のある音楽を作曲したのです。
彼の後期の音楽を聴くとき、真の天才を感じざるを得ません。
古本 買取 泉佐野市
タグ
2026年3月26日 | コメント/トラックバック(0) |
我らのテナー
日本の男性声楽家で最初に国際的な評価を得たのが藤原義江でした。彼が亡くなって昨日でちょうど50年です。ハーフなのでほりが深く端正な容貌、堂々とした体形で舞台映えがしたと言います。ただ、ほとんど独学でしたので正式な発声法を習っておらず、残された録音を聴いても喉を絞った窮屈な歌声で、高音は苦しいものでした。
天衣無縫の生き方でしたが、終生、歌劇への愛は変わらず、彼が組織した藤原歌劇団は日本では新国立歌劇を除けば、上質の歌劇を提供し続けているオペラカンパニーの第一でしょう。
晩年は帝国ホテルに住んでいたといいますから、後援者のお蔭とはいいながら、大したものです。そういえば淀川長治さんも晩年は同様でしたね。どちらも一つの道を貫き通した人間ですね。
古本 買取 大阪
タグ
2026年3月23日 | コメント/トラックバック(0) |
また出ている
今、私の横にはお客様からのご依頼で引き取ってきた月刊誌「レコード芸術」が10冊ほど積み重なっています。これが売れないんですよね。でも下手に手を出すとつい読んでしまって時間が溶けてゆくので、めったに開くことはできません。
1952年に創刊されて2023年の6月に休刊された雑誌です。私が最もよく読んだのは高校時代から大学時代にかけて、1970年代のクラシックLP全盛時代です。当時は新録音も沢山出ていましたから、広告の量も半端ではなく、今私の横にある休刊直前のものの倍の厚さはあったでしょう。400頁は軽く超えていたと思います。
その厚かった雑誌を、広告も含めて隅々まで読んで飽きなかったという友人がいます。私も負けません。当時の表紙のいくつかは今でも鮮明に覚えています。この雑誌の休刊が決まった時、惜しむ声が多く聞かれました。それに応えるように、今は「レコード芸術 on-line」が配信されているようです。
でも、当時のレコード会社のイメージカラーが決まっていた広告ページが、雑誌の半分を占めていたあの分厚い雑誌「レコード芸術」とは全く別物でしょう。読んでみたいとはあまり思いません。
古本 買取 泉佐野市


