続 社史とは?



さあ、異色の社史と書きましたが、「新潮社四十年」という社史の何が異色かというと、出来上がった速さです。そのあとがきのページは「新潮社四十年」編纂係の名のもとに次のように書き始められています。



「この「四十年」は話が始まってから一週間の間に拵へたものである。而も「日の出」新年号で眼がまはる忙しい最中の仕事である。これこそ超スピードであった。」びっくりしますね。会社の社史を出すのを、来週飲みに行く計画みたいなノリで決めちゃったみたいです。



巻頭には社長である佐藤義亮のあいさつ文、続いて菊池寛をはじめとする文士たちのお祝いや思い出話などが10本、続いて佐藤社長の「出版おもい出話」が約100頁、新潮社出版年史や図書年表が約100頁、全244頁で、上の写真のように、装丁もきれいな堂々たる本です。



これがわずか1週間ほどで出来るものか、信じられない気がします。あとがきにはさらに「巻末の「図書年表」は非常な手数だった。これも三日の間の調査だから、多少の脱落重複がないとは云へない。印刷所はこれが亦新年号でお話にならぬ忙しい中を、よく働いてくれた。お陰で期限に間に合った。同じことは製本所の諸君にも言わなければならなぬ。」と、多少の間違いは仕方ないさ、みたいに開き直ってえらそうに書いています。



期限に間に合ったと書いていますから、期限がまずありきだったのでしょう。たった1週間しか日数がないような期限、だれが決めたんでしょうね。



社史の編集発行のスピード記録間違いないでしょう。



古本 買取 泉佐野市

タグ

顔顔顔

土門拳の写真集に「風貌」があります。彼の最初の写真集です。明治から大正生まれくらいまでの各界の名士、有名人を撮りまくっています。それもページから顔がはみ出しそうなくらいのドアップが多いので、実に面白い本です。



尾崎行雄や鈴木大拙、牧野富太郎といったそれこそ明治のびくともしない男たちから、初代中村吉右衛門や六代目尾上菊五郎、山田耕筰、クロイツァーといった芸能関係、湯川秀樹や仁科芳雄の科学者たち、島崎藤村や志賀直哉、永井荷風などの文豪たちの顔顔顔が白黒ですが、実に人柄をにじませて迫ってきます。



私は講談社の文庫本3冊の形で初めて見たのですが、やっぱり「土門拳全集 第9巻」小学館で見ると、その大きさがすごく大切なことが分かりました。おすすめです。



古本 買取 堺市

タグ

タイムカプセル

平凡社の誕生日です。1914年の事でした。ちなみに創業者の下中弥三郎の誕生日でもありました。「や、此は便利だ」という一種の軽敏な事典が出発でした。



それ以後、いろんな種類の事典や全集類を矢継ぎ早に出して経営基盤を固めて、現在の大をなしました。大きかったのは戦後の高度成長時代に合わせて、一家に1セットみたいなキャンペーンを展開して「世界大百科事典」を売りまくったことでしょう。



これが各家庭で大切にされたことは、買取にお伺いすると多くのお宅でいまだに見かけることで分かります。大変残念なことは、今は本として評価できないことです。腰を据えて読むと、ある時代がタイムカプセルみたいに封じ込められているのが分かると思うのですが。



古本 買取 田尻町

タグ

ホンモノ

ハーバード大学が昔、格安で買っていた文書がマグナ・カルタのオリジナルと判って世界中が驚いています。世界史で覚えたマグナ・カルタという言葉。大憲章と訳されています。何となくマグマ大使がカルタをしているみたいで、学生時代にすぐに覚えられました。



ハーバードでは、当時たくさん作られた写本の一つだろうぐらいに思っていたそうですが、研究の結果、オリジナルだと判定されました。810年前に制定された法律ですから、ものものしい名前のわりには新しいものだったのですね。日本にはそれよりはるか以前の文書がいくらも存在していますから、年代的にはちっとも驚きません。



でも日本でいえば十七条憲法を聖徳太子が書いたものが出てきたみたいなことなんでしょう。ハーバード大学、大儲けじゃないですか。ハーバード大学にいやがらせをしていたトランプさんの鼻をあかしてやれましたね。



古本 買取 四条畷市

タグ

2025年5月17日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:古本 大阪 買取 雑感

久しぶりのクニオ

久しぶりに、全く久しぶりに小川国夫の本を手に取りました。「悲しみの港」という本です。朝日新聞に連載した小説です。昔、小川国夫を愛読した時期がありました。初期の「アポロンの島」から昭和55年の「アフリカの死」辺りまではかなり忠実に読み続けた記憶があります。



その頃は小川国夫、同じく小説家の辻邦生、歌人の塚本邦雄の三人が3クニオなどと呼ばれて、初版本、限定本ブームとも重なり合って、古本業界で大いにもてはやされていたのでした。今では想像すらできません。中では小川国夫がもっとも私の好みでしたが、何となく読まなくなってしまいました。



久しぶりに読むと、おなじみの藤枝市の郷土物でもあり、やはり文章の力はあり、新聞連載という事で筋立てにも興味をつなぐ工夫が見えて、力作と思いました。一度、旭屋書店のサイン会で生の本人を見たことがありました。とても顔の大きな人でしたね。



古本 買取 四条畷市

タグ

このページの先頭へ