売文社
黒岩比佐子さんの「パンとペン」講談社刊をパラパラと読みました。副題に「社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い」としてあります。黒岩さんは幅広く明治文献にあたって、村井玄斎や国木田独歩の再評価、伝書鳩の歴史、日露戦争の掘り起こしなど、明治時代をいろんな観点で見つめなおした良書をたくさん出されていますが、惜しくも52歳で亡くなられました。
「パンとペン」は黒岩さんの最後の本になりましたが、今や忘れられかけている堺利彦を、彼が作った「売文社」を通して新しい視点で見つめなおす力作です。「売文社」というのは今でいうならば文章を武器とした「電通」みたいなもので、いろんな人からのいろんな文章の注文をこなしたり本の執筆代行、編集請負などをする組織で、なかなか繁盛したそうです。
彼はその以前に「平民社」を作り「平民新聞」と言う左翼言論新聞を創刊したことで有名ですが、弾圧されて休刊し、その後に、このような一種やけっぱちみたいな会社を明治43年に起こしたのです。「売文」というのは、一種の自己卑下的なてらいがあるのですが、ある意味斬新で注目されました。予想通りそこには社会主義者、アナキスト、共産主義者などが集まって、一種カオス的な面白い集団になったのですが、さすがの堺利彦も御しかねて、結局大正9年に解散してしまうのです。
彼の生涯をその「売文社」中心に、生き生きと描いた大変読み応えのある作品です。
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2024年9月6日 | コメント/トラックバック(0) |
松川事件
戦後、当時の国鉄がらみで不審な事件が続発しました。下山事件、三鷹事件、そして松川事件。そのいずれもが真相が明瞭になっていません。松川事件が真犯人不明のまま1964年の今日8月16日に時効になっています。
この事件は文学者の広津和郎が「松川事件」という、裁判記録の本を出して被告たちの無罪立証に世論を大きく導きました。広津の友人の宇野浩二も「世にも不思議な物語」を書いて側面支援をしました。
この文学者が二人とも被告達の無実を信じた大きな要因が、被告たちの眼が澄んでいたからだ、と言われています。宇野についてはそれはあったかもしれませんが、広津和郎は精密に裁判過程を分析して、冷静に理論的に被告たちの無罪を信じていて、決して印象みたいなもので支援ししたわけではありません。
時効から60年が経ちました。いまだに事件は謎のままです。
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2024年8月16日 | コメント/トラックバック(0) |
無いな
昨日は午前中、本格的にセミが鳴き出しました。ああ、ついにこの季節かと天を仰ぎましたが、意外と早く鳴き止んでしまいました。あまりの暑さに恐れをなして、また土の中に潜ってしまったのでしょうか。
私は普段は分厚い本がわりと好きなんですが、さすがにこの気温、湿度の中ではそんな本を何冊もあっちへやったりこっちへやったりしていると、薄っぺらい本のありがたさがわかってきます。
薄くて軽くて値が高い本。良い和本ですね。書庫にはありません。
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2024年7月6日 | コメント/トラックバック(0) |
当たりか
世界各地でオーロラが観測されているようです。北海道でも見られたとか。昨日の夜、空を見上げましたが、灰色でした。少しいつもより明るいような気がしましたが、色は感じられません。
太陽フレアの大活動のための磁気が地上に降り注いでの天体ショーだとのこと。中国では古来、赤気と言われたそうです。あまり良いことではなく、凶兆、世の中が乱れる前兆として人々に思われていたと言われています。
最近の世界情勢から見ると、当たっているかもしれませんね。
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2024年5月12日 | コメント/トラックバック(0) |
一家で
今日は幸田露伴の誕生日です。今はもう読む人もめっきり減ったと思いますが、彼が亡くなった時には、政府内で国葬の話も持ち上がったほどの明治の大文豪でした。彼の兄弟姉妹はすべてひとかどの人物で、軍人、探検家(郡司成忠)として、歴史学者(幸田成友)として、そしてクラシックの演奏家、教育者(幸田延、安藤幸)としてそれぞれが各界を牽引しました。
露伴の家族からも文筆家が続きました。一人娘の文は父露伴の思い出を書いて随筆家として世に出て、小説も書き、奈良法輪寺の三重塔の再建に携わるなどと幅広く活躍しました。父親と同じく岩波書店から全24冊の全集が出版されました。ちなみに露伴全集は全44冊でした。どちらも大したものです。
幸田文さんの一人娘が青木玉さんで、この人も名随筆家です、10冊の著作を出版し、そのすべてが文庫化されています。その娘さんが同じく随筆家の青木奈緒さんで、8冊の著作をものされています。語学堪能で翻訳もされています。
すごいですね。直系の家族だけで膨大な著作量です。ギネス級かも。
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