あえのこと

全集や講座シリーズなどには付録の月報がついていることが多いです。本体の方にはなかなか手が出なくても、薄っぺらい、せいぜい8ページ前後の月報をつまみ読みすることはよくあります。



集英社から50年近く前に出た「図説 日本の歴史」の月報をちらりと見たら、能登の珠洲市の「あえのこと」について書かれていました。今大変な状況に置かれている輪島市や珠洲市など、奥能登地方には、国指定重要無形文化財、そしてユネスコの無形文化遺産でもある「あえのこと」という農業神事が昔から伝えられています。収穫を田の神様に感謝する行事です。



毎年12月5日に、行事を司る家に田の神様(夫婦神)をお迎えして饗応し、次の年の2月9日にお送りする行事です。その家の主人は裃、袴姿で神様を風呂場に案内してゆっくりとお入りください、と言ったり、座敷のお膳に並べた御馳走を一つずつ説明したり、神様を眼の前にいるごとく接待するので一人芝居みたいに見えますが、流石に古くからの行事ですので、厳粛極まりないものです。



その月報では新出さんというお家の「あえのこと」を紹介していました。偶然今日が神様をお送りする日です。「あえのこと」を今現在受け継いでおられる方には、どうかご無事で神事を全うされることをお祈りいたします。



(あとで本体の方の「図説 日本の歴史 第2巻」を読むと、写真入りで事細かに「あえのこと」の様子を説明していて、よく理解できました。)



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