芸術院

先日、新しく芸術院会員に推挙された人たちが報道され、その中に萩尾望都さんと筒井康隆さんが入ってました。漫画家と小説家ですが、大雑把に言うとお二人共SF畑と言っていいでしょう。



筒井康隆さんはお若い頃は何度も直木賞の候補になりながら受賞せず、その鬱憤をあからさまに小説にしたり、日記として発表したりされていました。寄席の例えでいうと正統な落語が芸術で、手品や漫才、音曲物などは色物として、一段低く見られていた時期がありましたが、SFはまさに文壇では、そんな扱いを受けていたとおっしゃるのでした。



それが「夢の木坂分岐点」が泉鏡花章を受賞した辺りから評価が変わってきて、新潮社の純文学書き下ろし作品シリーズで「虚航船団」を出して完全に文壇の正統的位置を占めました。



それが今回は芸術院会員です。筒井さん本人はおかしくてたまらないだろうと思います。筒井さんご自身は書くものも考え方も変わっておられないからです。



つい先日、最後の小説を発表されたばかりですが、そんなことを言わずに、相変わらずのショッキングな作品を芸術院会員として発表していただきたいものです。



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