作家達も
長々と入院始末を書いてきましたが、作家達は自分の心筋梗塞体験を色々と本に残しています。
新しいところでは1994年の水上勉の「心筋梗塞の前後」や、その翌年の三木卓「生還の記」がそれぞれ単行本で出ていて、読み応えありそうです。
水上さんの作は文庫本にもなっていたと思います。
水上さんは天安門事件の時期に中国に滞在しており、その帰国直後の発病だったと思います。ストレスがあったのでしょうか。
三木さんは痛みをこらえながら自力で病院にたどり着いて一命を取り留めたとの事。根性がありますね。
うろ覚えですが、たしか谷崎潤一郎の随筆にも、自分の心臓病を書いたのがあったと思うのですが、確かめる事が今は出来ません。
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2015年6月20日 | コメント/トラックバック(0) |
回復
さて、一般病棟に移ってからは、少しの点滴と小便のカテーテルだけが残りましたが、それも次の日には取れ、大部屋に移りました。つまり完全な回復期に入ったという事でしょう。
それからは数日にして減塩ですが普通食になり、歩行練習に入りました。完全に一週間以上は寝たきりでしたので自分でも驚くほどふらつきます。久しぶりに自転車に乗ったみたい。バランスが取れないのです。薬の影響もあったかもしれません。
単独入浴が許可され、本格的なリハビリ(固定した自転車こぎ)も始まり、病室がトイレから最も遠い場所に移り、外見上や話す様子は倒れる前と殆ど変わらないほどになりました。
そして入院から丸4週間で退院する事が出来ました。ありがたいことです。
しかし、私にとって初めての入院は意外な大事になってしまいました。
普段の健康管理、定期健診の大切さを色んな人達からアドバイスされていたのにこの始末です。
皆さん、今からでも遅くありません。1年でたった1日、自分の体を見つめ直してください。
それは手探りで送る(体の中のことは判らない)毎日の中で、急な発病という落とし穴から未然に救ってくれる綱の一本になる筈です。
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2015年6月19日 | コメント/トラックバック(0) |
古書即売会です
ここでいつもの即売会のお知らせです。
6月19日(金)から2か所で古書即売会が開かれます。
オーク200古本祭り
6月19日(金)~25日(木)
午前12時~午後7時 ただし初日だけ午前10時開場(最終日は午後5時まで)
大阪弁天町オーク広場
たにまち月いち古書即売会
6月19日(金)~21日(日)
午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)
大阪古書会館1階
御来場お願いいたします。
熊取町、泉佐野市などは当店が最近隣。日頃から努力を傾注している地元です。真夏を控えた時期、古本や資料等の売却をお考えでしたら、何卒大阪府古書籍商業協同組合加盟店の池崎書店にご下命下さい。20年以上の多数の買取実績がございます。御家に伝わる古くからのコレクション、色々の本を求めています。日曜祝日無しで無料の出張買取、推進中。深夜や早朝の買取もご遠慮なく。適正に査定、誠実に高価買取いたします。(と申しましても、一部の日本文学全集、世界文学全集等買い取りできない本や雑誌がまれにございます。書き込みや落書きのある本も、同様でございます。) 古書・古本出張買取を強化しております。また、宅配買取も簡単OKです。お問い合わせは古本・古書買取直通ダイヤル090-3990-1086、または 買取のお問い合わせ にて承っております。夜間もご遠慮なく。ご遠方からの宅配買取もお待ちしています。送料着払いです。
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2015年6月18日 | コメント/トラックバック(0) |
幻視
意識もはっきりしだして、私もようやく自分の状況を認めました。まだ体には沢山の管が繋がれていますが、まな板の鯉を見習ってジタバタせずドクターや看護士さんの指示に従って、早く治りたいという気持ちになったのです。
ICUは重篤な患者のベッドが、大した仕切りも無く5、6床並んでいます。嫌でも緊迫した様子が耳に入ってきますし、看護士さんたちのあわただしい動きも目の端に入ります。
薬の影響もあったかもしれませんが、私の感情が敏感になったとしても不思議ではないと思います。やたら涙もろくなり、隣の患者さんに看護士さんがかける優しい言葉に嗚咽したりしました。
かなり回復した時分、不思議な現象が私を捉えているのに気付きました。ICUの壁に色鮮やかな絵が描かれているのが見えるのです。家人に言うと吃驚していました。壁は勿論真っ白です。ドクターに告げるとICU症候群という症状があり、幻視、幻聴を伴なうとのことでした。早くここを出たほうが良いとドクターは判断しました。
そこで私は、口からしっかり食事を採ることを条件に、鼻からのチューブや首のカテーテルなどが外され、一般病棟に移されたのです。
続く
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2015年6月17日 | コメント/トラックバック(0) |
曙光
意識は戻りつつあっても、ドクター達にはまだまだ油断できない状況が続いていた模様です。
腸がまったく動かない。場合によっては壊死も考えられると家族は告げられました。鼻から胃まで入った太いチューブから食べ物として栄養食や水分が注入されていますので、腸が動かないのは具合が悪い。
腸カメラを入れて検査の結果、ガスが溜まっていただけのようでした。こちらはまず一安心。
次の懸念は、睡眠剤が完全に抜けてからしか判断できない、脳のダメージです。
運動機能、知的機能等は、心停止状態の間、心臓マッサージなどでどのくらい脳に血液が送られたかによって大きく回復度合いが変わるようです。
私の場合、倒れたローソンで直ちに心臓マッサージが胸骨が折れるほど適切になされていた事が大きく幸いし、両機能ともかろうじて殆ど倒れる前と変わらないレベルを維持できていたようです。
こうして、皆の愁眉がやっと開いたのは5月22日頃でした。
続く
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2015年6月16日 | コメント/トラックバック(0) |