モーパッサンさん
日頃まともに本を読む事は少ないです。本のチェックなどをしていると、殆ど読んでしまったような気になるのでしょう。
落丁調べパラパラ、奥付け熟読、表紙を拭いたりする頃にはもう腹一杯です。
従って時たま、手軽な文庫本などで気になったのを拾い読みする程度。
先日もモーパッサンの「脂肪のかたまり」の新訳が岩波文庫で出ていたのに気付き、手に取りました。以前は「脂肪の塊」だったと思います。
今回の新訳は高山鉄男さん訳で、以前の水野亮訳に比べ、格段に読みやすい。
筋は有名ですね。普仏戦争でフランスが負け、進駐してきたプロシャ兵に「脂肪のかたまり」とあだ名された女の人が人身御供になるという犠牲的精神を発揮して人びとの苦境を救ったのに、世間的名士とその婦人たちは「脂肪のかたまり」を仲間はずれにするという、なかなかやりきれない話です。
食欲と性欲と戦争の悲喜劇です。
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2015年2月25日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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