見張って下さい

個人全集などのセット物で1冊だけ足りない、ということが買取などでたまにあります。最後の方の巻だったりすると買い忘れなどの可能性もありますが、真ん中あたりが無いと何処かに紛れ込んだか、誰かに貸してそのままになっているのか、等など色々考えられます。



その場ではともかく不揃いになっていますから、残念ながら買取査定は厳しくなってしまいます。後から出てきたらご連絡ください、対処しますので、と言うことで一旦終了しますが後で連絡が来ることはまあありません。



売るのにもバラで売るよりセットにしたほうが良いのでその欠けた1冊を探すのですが、都合よく見つかることは滅多にありません。万一見つかっても保存状態が違うので、揃えてもその巻だけが浮き上がって見えて誠に見苦しい。したがって価格も遠慮がちになり、結局不揃いの全集は労多くして何とやらになりますので、蔵書家の皆様には、全集本は決して1冊だけみなし子にしないようにお願い申し上げます。



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2023年11月8日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:全集 古本 大阪 買取

広い世の中

宝探しを懲りずにしています。倉庫をひっくり返しているのです。身体の都合を聞きながらですから、遅々として進みませんが、少しは整理できてきたのかなと思います。



時々、全く覚えがない本が出てきて本当にびっくりします。昨日も洋書をまとめた棚からフランスのプレイアード叢書版のジュリアン・グリーン全集全5巻がひょっこり出てきました。記憶の端にも残っていなかったので得した気分です。



もちろん読めるわけもないですから売るのですが、ハエの頭みたいな小さな活字がびっしり、5冊いずれも1000ページを軽く超えていますから、読もうという奇特な人がいるのかも心配ですが、いやいや、世の中広いですからね。



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2023年10月23日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:お勧め本 全集

賢治さん

昨日9月21日は宮沢賢治の亡くなった日です。1933年に亡くなりましたから今年で没後90年です。生前、2冊の本を出しましたが殆ど売れず、童話や詩の草稿を大きなトランクに一杯残して、ほとんど無名で亡くなりました。



それが、今では網羅的な全集は何度も出され、代表作は各文庫に収録され途切れることはありません。2冊の生前の本は何百万円の値段で取引され、書簡など、自筆資料が出れば天文学的な価値を持つことでしょう。



亡くなった日は、直前まで農民の肥料の相談に誠実に対応して、その後、自分でオキシフルで体を拭いて死にました。兄を慕う弟さんの努力で、彼の業績は後世まで欠けることなく残りましたが、その不思議な言語空間にはまだ、隠された謎が読み解かれることなく潜んでいるような気がします。



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また学研さん

学研から出た至れり尽くせりの世界文学全集について先日書きましたが、学研はその前に「現代日本の文学」という日本文学全集を出していました。編集方針の至れり尽くせりのひな形は実はここにあったのです。



巻頭カラー写真による文学紀行、小説家や評論家の写真と文章による文学紀行、巻末の注解、年譜、写真による文学アルバム、評伝的解説等など、合計100ページほどのこれらの付録が収録作品の理解を助けてくれます。おまけに対談を中心とした充実した月報もついています。



2020年に亡くなった、古書マニアで評論家の坪内祐三さんがこの全集のうちの1冊を100円均一から掘り出して読んだところ、その付録の充実ぶりに驚嘆、もう無いだろうが全50冊セット(実は全60冊)が古本屋に出れば、1万円でも買う、とエッセーで書いておられたと思います。



この発言は古本屋事情に詳しい人から見れば驚異的でしょう。今や買取にお伺いしても、ほとんどの文学全集は残念ながら、とお答えしないといけないのが普通ですから。



学研の文学全集には、読み巧者の坪内さんを納得させる価値があるということですね。探し出すとしたら、まだ、今はギリ間に合うかもですよ。



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不思議な全集

いろんな出版社があります。文芸書出版に強いところや学術書専門、美術書や音楽書、経済書や法律書など各分野にその出版社の特徴がよく出ます。



学習部門では旺文社や小学館などが有名ですが、これらは普通の総合出版社みたいな様相になっています。学研もその中に入ると思います。



この学研という会社が私にはよく分かりません。百科事典や美術全集、文学全集などが大流行だった頃、学研も一応はその流れに乗ってそれらを出すのですが、妙に力こぶが入ってちょっと変わった全集になっています。



学研版「世界文学全集」の1冊を手に取ると、巻頭16ページがカラーの文学アルバム、その次に作家、評論家が、その1冊に収録されている作家、作品との関わりや鑑賞を写真満載で書いたページが30ページほど。巻末にも解説や年譜などが50ページほどあり、結局、収録作品本文以外に合計100ページほどが付録的なものになっています。学習雑誌に付録を沢山付ける的な感覚で編集したのでしょうか。



こういうのが全50巻ですから、その努力はすごいです。元々が文芸出版社ではありませんから、既存の翻訳書もないですから、どうも新たにを翻訳してもらったような気配が、全集の内容一覧を見ると感じられます。どうやら大変な費用をかけているらしい。



編集委員が面白いです。普通、文芸出版社が世界文学全集を出す場合、編集委員には各外国文学研究の大学教授の名前がずらりと並ぶのですが、この学研版は五木寛之、遠藤周作、北杜夫、三浦朱門と尾崎秀樹です。斬新ですね。



世界美術全集も学研から初めて出すにしては、大掛かりなものを出しています。「大系 世界の美術」と言って、持つのも重いような本になっています。全集出版に慣れた河出書房が、手を変え品を変え、同じような美術全集、文学全集をちょちょいと簡単に続発したのと対照的です。



学習物の出版社というのは基本的には真面目で融通が効かないのでしょうかね。そして付録を付けたがるのも会社のカラーでしょうか。



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