波乱万丈

今どき誰が読むのかという世界名作がたくさんあります。昔は世界名作全集、文学全集などが嫌というほど出ていましたから、その中に収録されていると何となく読んでしまう事も有ったでしょうが、さて、今では文学史の上で作品名を見るだけの作者がかなりあります。



ウォルター・スコットなどもその代表と言えるでしょう。「湖上の美人(麗人)」「アイヴァンホー」「ケニルワースの城」などは世界文学全集の定番でした。本国イギリスでは大作家で紙幣などに肖像が使われているそうですが、なにせ、お姫様、お殿様、騎士、決闘、復讐、冒険などが作品中に満ち溢れていますので、まあ、今の日本ではなかなか受け入れられないかもしれません。



今日も今日とて、仕入れの文庫本の中に、岩波文庫「ミドロジアンの心臓」上下がありましたので、ふと最初の2,3ページを見るとなかなか面白い。出だしは街の中心部の絞首刑台です。義侠心のある受刑者として喝采を受けた男の刑の執行があり、それに怒った民衆に対して執行者の隊長が発砲して何人か死ぬ。隊長が発砲の責任を問われて、同じ絞首台で死刑になる、というような、開始早々とんでもない展開です。



それからどうなるか。ぜひともお読みください。



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