文庫化要求
「銭形平次捕物全集」全26巻が入荷したので少し拾い読みしました。
映画やテレビで見たが、本は読んでないという人が多いのではないでしょうか。
野村胡堂が26年間書き継いだもので、全383話。四六版に2段組みでぎっしり。
一読、ですます調の文体で、その柔らかい調子が全体を包み込んで、人殺しを取り上げても殺伐としていません。
大体から、あまり陰惨な話は無いようで、数えた人によると、犯人を見逃してやる話が3分の1ほどもあるようです。
地の文章の中には、時々、フォックストロット等という言葉が飛び出したりして、自由自在です。
と言っても、野村胡堂さん自身、江戸地図や武鑑の蒐集家でしたので、地理等の細部の記述は文献的な裏付けがあるようです。
岡本綺堂の「半七捕物帳」全編は何度も文庫で出直していて、読むのにあまり困りませんが、「銭形」全部はこの全集を探さないと読めないようです。
全編を文庫化して欲しいものです。ローダン・シリーズがずっと出ているのだから、決して無理な要求ではないでしょう?
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2013年10月26日 | コメント/トラックバック(0) |
日本と中国
昔は大学近辺の学生街には雀荘が何軒かはあったものです。
私も何回か入った事があるし、そこでお決まりの、出前のチャーハンやラーメンなどを食べた記憶もあります。
「11PM」でも大橋巨泉氏の麻雀コーナーがありました。つまり麻雀が流行っていたわけ。
ところが、昭和初年代はもっと猛烈な麻雀ブームが日本で起こっていました。
その象徴とでも言うべき本が昭和5年に出た、杉浦末郎著「日華麻雀争覇戦」でしょう。
これは、日本代表と、日本在住の華僑代表の麻雀対抗戦の観戦記です。読売新聞に連載したのを一本にまとめたものです。あまり見かけない本でしょう。大阪屋號書店という東京の書店の出版。
満州事変はまだ起こっていない時代です。
日本側の代表選手の中に、久米正雄と佐々木茂索が入っているのが目をひきます。多分、当時最も社内麻雀が盛んだった(と思われる)文芸春秋社から2人(久米は社員ではないが、社長の菊池寛の大親友)も参加しているのはなぜか。理由は日本勢の主将に菊池寛がおさまっているからに他なりません。
菊池は主将という肩書だけで、対戦はしていませんが、久米と佐々木は第一回戦でトータル得点で華僑勢に勝っています。
特に久米の得点は、日本側中国側双方32人の選手の中でも最高得点でした。その健闘も及ばず、最終合計得点で華僑側の圧勝に終わっています。観戦後記では両国の熱戦をたたえ合って、和気藹藹の雰囲気で締めくくっています。
平和な争いは良いですね。
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2013年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |
自由な警官
推理小説が好きでよく読みました。
名探偵の推理の影になりがちですが、警察がよく描けているかどうかも、読後感に大きく作用すると思います。
エラリー・クイーンの国名シリーズの作品などでは、主人公のクイーンの父親はニューヨーク市警の警視で、クイーンの推理の過程で、抜きがたい働きをします。
シャーロック・ホームズ物でも、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)は重要な存在感があります。
クリスティのポアロ物でも然り。
警察権力が主人公役では、シムノンのメグレ警部が有名です。クロフツのフレンチ警部物もありますね。
アメリカではエド・マクベインが書いた87分署シリーズが有名でしょう。
ただ、アメリカの警察組織はとても複雑なようで、それをよく理解していないと、とんでもない誤読をするらしいです。
そういえば先日、ラジオで、アメリカの警官は自分の非番の時にアルバイトが出来る、と聞いてびっくりしました。それも警官の制服を着て警察の拳銃携帯で、混雑整理や交通整理などのバイトをする警官が多いらしい。
自由というかなんというか、文化の違いでしょうね。
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2013年10月24日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:推理小説
グレゴリ永久保存
先日、岸和田で買取させていただいた中に、グレゴリ青山さんの本が二冊入っていて、久しぶりにグレゴリ・ワールドに浸れました。
世の中にウマヘタ漫画、若しくはヘタウマ漫画の領域があるそうです。多分、「ナニワ金融道」の青木雄二さん辺りから、多くの人の共感を得始めたのじゃないかと思います。基本リアルなのですが、人物のプロポーションや、顔の造形、遠近感覚などに不思議なデフォルメがあり、ねちっこい。
グレゴリ青山さんも分野的にはその一人ですが、彼女はヘタウマというより、一見、ヘタヘタと言った方がいいかも知れません。上手く描こうという気はさらさらなく、むしろ正確に描こうという意欲が感じられます。自分の気持、記憶を正確に絵として描こうという意欲。
彼女の漫画が私小説的、エッセイ的であるのは、当然の結果でしょう。私、大好きです。
グレゴリさんは、若いころには大阪梅田古書の街のお店でアルバイトをされていました。古本の世界とは御縁があったわけで、古書展のポスターなども描かれています。
大阪の組合にも何度かお越しになり、たにまち月いち古書即売会とコラボをしてもらったと思います。
その時、拝み倒して私のケータイカメラに、缶ビール片手のご尊顔を撮らせていただきました。
ご自分の漫画の中で描かれているご本人とは似ても似つかない、少し繊細な清楚な姿です。永久保存版ですね。
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2013年10月23日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:マンガ
泉佐野市で買取
泉佐野市、近くで買取をさせていただきました。
本だけでなく、壺なども(こちらは委託)。いつもありがとうございます。
その足で大阪の組合まで持ち込み、明日の金曜クラブへの出品をお願いしてきました。
さる業者さんからの品で、組合の一階は足の踏み場もないほどのカーゴカーゴカーゴ。
明日はさぞかし賑わう事でしょう。
天気が少し心配です。台風27号と28号のペア行動は気になります。
1枚の天気図に5個の台風が同時に現われた事が過去にあったそうです。でも、雨の原料の水蒸気をそれぞれが取り合いをして、大した被害はなかったということでした。
今回もそのようにならないものか。
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2013年10月22日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:買取