日本と中国
昔は大学近辺の学生街には雀荘が何軒かはあったものです。
私も何回か入った事があるし、そこでお決まりの、出前のチャーハンやラーメンなどを食べた記憶もあります。
「11PM」でも大橋巨泉氏の麻雀コーナーがありました。つまり麻雀が流行っていたわけ。
ところが、昭和初年代はもっと猛烈な麻雀ブームが日本で起こっていました。
その象徴とでも言うべき本が昭和5年に出た、杉浦末郎著「日華麻雀争覇戦」でしょう。
これは、日本代表と、日本在住の華僑代表の麻雀対抗戦の観戦記です。読売新聞に連載したのを一本にまとめたものです。あまり見かけない本でしょう。大阪屋號書店という東京の書店の出版。
満州事変はまだ起こっていない時代です。
日本側の代表選手の中に、久米正雄と佐々木茂索が入っているのが目をひきます。多分、当時最も社内麻雀が盛んだった(と思われる)文芸春秋社から2人(久米は社員ではないが、社長の菊池寛の大親友)も参加しているのはなぜか。理由は日本勢の主将に菊池寛がおさまっているからに他なりません。
菊池は主将という肩書だけで、対戦はしていませんが、久米と佐々木は第一回戦でトータル得点で華僑勢に勝っています。
特に久米の得点は、日本側中国側双方32人の選手の中でも最高得点でした。その健闘も及ばず、最終合計得点で華僑側の圧勝に終わっています。観戦後記では両国の熱戦をたたえ合って、和気藹藹の雰囲気で締めくくっています。
平和な争いは良いですね。
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2013年10月25日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |