文庫化要求
「銭形平次捕物全集」全26巻が入荷したので少し拾い読みしました。
映画やテレビで見たが、本は読んでないという人が多いのではないでしょうか。
野村胡堂が26年間書き継いだもので、全383話。四六版に2段組みでぎっしり。
一読、ですます調の文体で、その柔らかい調子が全体を包み込んで、人殺しを取り上げても殺伐としていません。
大体から、あまり陰惨な話は無いようで、数えた人によると、犯人を見逃してやる話が3分の1ほどもあるようです。
地の文章の中には、時々、フォックストロット等という言葉が飛び出したりして、自由自在です。
と言っても、野村胡堂さん自身、江戸地図や武鑑の蒐集家でしたので、地理等の細部の記述は文献的な裏付けがあるようです。
岡本綺堂の「半七捕物帳」全編は何度も文庫で出直していて、読むのにあまり困りませんが、「銭形」全部はこの全集を探さないと読めないようです。
全編を文庫化して欲しいものです。ローダン・シリーズがずっと出ているのだから、決して無理な要求ではないでしょう?
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2013年10月26日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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