本から得る教訓
どんな本にも一つや二つ、ああ、これは今まで考えもしなかったことだと、感じ入る瞬間があろうかと思います。畢竟、読書ということは、その体験のために営々と営む事だと思います。
かねて愛読している福原鱗太郎さんが戦中に書いた「英語青年」の英学時評の文章を、初めて、まとめて読んでみましたが、恐るべき洞察力に感嘆を新たにしました。
「戦勝の真中に遠き慮(おもんぱか)りを廻らすことは、百年千年の計をなすものの用意であろう。(略)英国の国情の特色としてわれらの知っている一つの事は戦況報告の際、(略)いつも敗けたことを真っ先に報じ、戦勝をあとにしていることである。」
これが昭和十七年一月十五日付で掲載されていた事実に、私は、ミッドウェー沖海戦の大敗北がついに日本国民には、戦中は知らされなかったという事実と考え合わせて、意味深く思わざるを得ません。
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2011年11月6日 | コメント/トラックバック(0) |