恋の妙薬
このごろ集団見合いのような番組が時々放送されています。年頃の女の人がいない過疎地や島で、そこに住む二十代から五十代あたりの男性と、全国から応募してやって来た女性達を対面させ、お付き合いのきっかけを作るという、昔の「フィーリングカップル5対5」を大掛かりにした現代版集団お見合いです。
ヤラセや演出もあるでしょうが、みているとウマが合うと言うのか、そりが合うと言うのか、スッとゆくカップルもあれば、ごめんなさい、もあります。男女間の機微は難しい。
そこで落語の世界では便利なものが登場します。好きになった娘さんをモノにせんと、喜六が甚兵衛はんに尋ねて教えてもらった恋の妙薬が「いもりの黒焼」。落語では娘さんに振りかけたつもりが、近くの米俵に黒焼がかかってしまい、歩き出した米俵に追いかけられるという話です。
大阪の高津神社の近所に有名な黒焼屋さんがあったという事は、桂米朝さんの落語で知っていましたが、岡本一平の全集にその探訪記が載っていました。
それによると二軒あったそうです。その一軒が天満屋佐兵衛さんの店で、いもりの黒焼は一円だったそうです。買って包みを開けると中身は雄と雌、別々に包装。黒い粉末。本来は乳母に子供がなつかない時に使ったもので、乳母に雄を持たせ子供に雌を持たせるとたちまちなつくらしい。又、夫婦仲悪しき時にも男が雌、女が雄を持つと効果てきめんとか。会社の同僚などにも効くと書かれてあります。
一円で効けば、当時としても安いものですね。
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2012年6月9日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |