有名なお寺さん
厚生書店さんがブログで、桂枝雀さんが乗り移ったような文体で「ずくねん寺」について書かれています。上方落語でお馴染みのお寺です。
不思議な面白い語感ですね。なんとなく感覚的に判るような気がします。ごじゃごじゃと文句がありそうな気配。住職も小僧もひと癖ありそう。
平凡社の「大辞典」をひきますと、
「ズクネン」が立項してあり、「方言。馬鹿坊主。山梨県」とあります。やはり坊主に関係した言葉のようです。
そのひとつ前の項目が「ズクネル」で「方言。ぐづぐづいふ。秋田県北秋田郡『いつまでもズグネル奴だ』」とある。これも何となく共通点がありそう。さらに遡ってみると、
「ズクニュー」という項目発見。「木菟入 ズクニュー ①木菟(ズク)のやうに太ってにくにくしい坊主頭の人を罵っていふ。入は入道の略」と書かれています。また坊主に関連するような語釈が出ました。
この三つの項目でわかるように、「ずく」は坊主に関係しつつ、あまり良い意味は無いようです。
「ずくねん寺」は上方落語では、「八五郎坊主」の他にも、「三年酒」や「ちょうずまわし」に出てきます。特に「三年酒」に出てくる「ずくねん寺」の住職は一筋縄でゆきそうもない曲者で、「おねおねの佐助はん」や「高慢の幸助はん」をもってしてもてこずり、「コツキの源太」を投入して、やっと言うことを聞かせたという経緯があります。
皆様もお参りの節はお気を付けください。
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2012年6月14日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:落語