オレンジからの連想

お中元にオレンジをいただきました。

真夏に柑橘類をいただくと、落語「千両みかん」を思い出します。

旬がハッキリと在った時代、確かに土用のさなかにミカンを欲しがって病気になっても、誰も助けてくれません。番頭が安請け合いしてくれたおかげで、このミカンが好きな大家の若旦那は助かったのですが、一個のミカンを探し出す番頭の苦労が、このばかばかしい落語のメインテーマだと思います。

大阪天満の大川端のアカモン(果物)市場の中に、ただ、一軒だけミカン専門のお店があると教えられて大家の番頭さんは喜んでゆきます。

「ミカンおまへんやろか?」

「おまっせ」

ミカン屋さんの主人が、毎夏囲うている(保管している)蔵から、ミカン箱を運び出させて一箱ずつ点検してくれます。どの箱のミカンも腐っていましたが、倉何軒分か、千箱のミカンの箱の中の、たった一箱の中から、一粒だけ採れたて同様のミカンが出てきました。

このミカン一個の値段が決まるまでの二人のやり取りが、この落語の一番の聞きどころです。

ミカン屋の主人は事情を聞いて、「生き死ににかかわることや、はよ、持って行ってあげてください。そんなにミカンにほれ込んでくれた人には、差し上げます」と親切に言う。大家の番頭が「いやいや、私どもも大家と言われています。買わせていただきます」と片意地な事をしつこく言ったがために、ミカン一粒千両になります。

ミカン屋の主人「アカモン問屋の中でただ一軒、ミカンの問屋をやっていますんで、いつお客さんが来はっても、ミカンが無い、とはよう言わん。毎年、腐るのを承知でミカンを囲う。夏の間、お客さんが買いに来なければ、今年も暖簾に元入れしたとあきらめます。くれとおっしゃるなら喜んで差し上げます。お客さんがあって、買うてくださるなら商人冥利、一文も損はできまへん。千箱の中の一箱、一箱の中の一個、全部の値を掛けさしてもらいます。あんさんも、お商売人さんやったら、判っていただけますやろ」

大家の番頭「判りました。千両のお値段、高い事おまへん。おじゃまいたしました」

この二人のやり取り、男らしいですね。大家の番頭さん、あきらめて帰りますが、若旦那の父親が、安い!と千両箱を投げ出してその一個のミカンを買いにゆき、若旦那は助かるという噺です。サゲも大胆です。

夏のさなか、登場人物全員が暑さの影響を受けたとしか思えない、シュールな話です。

皆様も暑さにはお気を付けください。


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