旺文社文庫、こんなん出ました。

私のような昭和20年代生まれにとって、旺文社文庫の出現は、何か変なものが出てきたなという印象が強烈です。

函入り!これがショックでした。「要らんことしたな」という気持ちが強かったと覚えてます。しかもその函がキツイ。本体を取り出すのに苦労しました。

色が、函、本体ともアマガエルのような薄緑。本体の表紙がピカピカのビニール(?)コーティング。ほとんどが挿絵入り。解説どっさり。語注テンコ盛り。奥付の上半分を占める「刊行の言葉」の最後に赤尾好夫の墨跡署名。

全体に胡散臭さ、B級の香りが立ち昇っていたと思います。

この文庫が変質し始めるのが、函をやめてカバーにしてからだと誰もが言うでしょう。

小説系は普通のと言うか、画家が勝手にイメージしたような当りさわりのないカバーでしたが、ノンフィクション系が大雑把に橙、緑、青、黄の表紙の真ん中に写真や絵をを四角にはめ込んだ感じのカバーで統一されてきました。

この時代に入ってから、文学、小説系がブレイクし始めました。安藤鶴夫、木山捷平、内田百閒、岡本綺堂などの有名なシリーズが続々。古本屋もゾクゾク。あ、続きは次回に。


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