怒りの音楽

知らない音楽を何気なく聴いていて、つい引き込まれる瞬間があります。至福の時と言えます。

何が原因か。美しい旋律か、軽妙なリズムか、不思議な音色なのか、絶妙な声なのか。

割と大きな要素に、興奮するという事があります。

歳をとりましたので、昔みたいに敏感に反応しまくる事は減りましたが、それでも年に一度や二度はそういう瞬間があります。

ショスタコービッチの交響曲第4番。聴いたような気になっていた曲ですが、ハッキリ聴いたのは先日でした。

第一楽章は重苦しい詠嘆で始まり、のたくるように進んでゆくのですが、途中、12、3分すぎ頃からヴァイオリンが狂ったような急速なパッセージで走り出すと、それに釣られて段々と楽器が加わりだし、f(フォルテ)が幾つ付くの?という様な巨大な音の塊の突進になります。

音が興奮し、怒り、青筋立てているみたいな姿が強烈です。

この当時のショスタコービッチ、ソ連に何かあったのか、と思ってしまいました。

音楽に脅迫され怒られたいという、マゾな人にお勧めです。

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