熱い時代
明治大正昭和を通じて、農業を通した国民教育の必要を力説、実践した加藤完治という人がいました。
有名な満蒙開拓青少年義勇軍を組織したり、日本国民高等学校を作ったり、A級戦犯に指名されたが最敬礼をもってGHQからその指名を取り消されたりと、ある意味、毀誉褒貶かまびすしい人ですが、今は忘れられているでしょう。
この人の自伝(未完)には、明治生まれの愛国的日本人のひたむきな思いがよく出ています。
学生を連れて旅行をよくしています。面白い話が載っていました。
毎年行く旅館。出立日の朝食が、毎度、出立時間ぎりぎりに出てきて、火傷しそうな熱いご飯に熱いみそ汁。時間に追われてはとても食べれません。そのくせ「お腹一杯お召し上がりください」と白々しい。
普通ならそんな旅館は利用しないようにするのでしょうが、加藤先生は後々のためにならないから懲らしめようと思うのです。
ある年の出立日、例によって時間ぎりぎりに出された朝食の時、「列車を遅らせるから、皆、腹一杯食べろ」と号令をかけたからたまらない。炊き立てのご飯はもちろん、冷ご飯まで出させたが生徒は御代りの連呼。「もうご飯がありません」と主人が言うと「腹一杯食べてくれと言ったではないか」と怒鳴って、平謝りさせたとの事です。
先生も熱かったのです。
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2013年9月29日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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