鏡花は現代むき
何の気なしに、傍らに積んであった「鏡花全集」の月報をパラリと見ていると泉鏡花家の茶の間の写真が目に入りました。
天井が写っているのですが、白いテープみたいなのが平行に張られています。
鏡花の潔癖症は有名で、天井板の隙間から埃が落ちるのを嫌い、天井板の継ぎ目を紙で目張りした事は知っていましたが、写真では初めて見ました。一寸異様な光景です。
彼は黴菌を極端に恐れ、刺身などの生ものは絶対に食べなかったとか。酒の燗も沸騰する状態にしたそうです。
畳に手をついてお辞儀する時は、掌ではなく手の甲をついたといいます。オキシフルに浸した脱脂綿を常に持ち歩き、ドアのノブなどはこれでひと拭き。
キセルの吸い口には、紙のカバーをかぶせる。これなんか、かえって不潔な気がしますがね。
ともかく病的な潔癖。
除菌除菌が合言葉みたいな現代は、彼には合っているかもしれません。
タグ
2014年5月29日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
トラックバック&コメント
この投稿のトラックバックURL: