古本屋のポケット
意味ありげな題ですが、丸谷才一さんの文化勲章受章に合わせただけです。
「男のポケット」、正直な話、愛読しました。当時、何に惹かれたのか。考えるに、丸谷氏の文体だったのでせうね。と、こんな感じで今も彼の影響は、私の中にかなりしつこく残ってしまっています。昭和51年に出版されていますので、就職の1年前です。24歳でした。
装丁、挿絵が和田誠氏。ゴールデン・コンビです。その以前からエッセイ集の装丁は和田氏でしたが、ブレイクしたのはこの「男のポケット」からでしょう。
丸谷氏の影響は、彼が参加した歌仙を読みだしてから、少しづつ醒めては来ていましたが(ここんとこ説明すると長くなります。はしょれば、歌仙の連衆の安東次男氏の気合いに比べて、軟弱なと思ったことでしょうか)、今回のような受賞報道を読むと、自分の年齢も改めて感じられ、又読み返してみようかなどと思っています。ただしエッセイですよ。彼の小説ではありません、あくまでエッセイ。
ともかく彼以後、一つの文章の中の「ーだ、-である」調と「-ですね、ーぢゃないか」調の混在があまり違和感を持たせず、むしろそれが自由闊達な印象を演出するようになった事は、言えるのぢゃないか。
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2011年10月27日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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