谷口六郎さん
谷内六郎さんが描いた「週刊新潮」の表紙絵を春、夏、秋、冬新年の4冊に分けて新潮文庫から出ていました。別巻に「夢」もあったと思います。
その「夏」をぱらりと見ていると、「時計屋に行った日」と題された絵が目に入りました。
振り子時計を紐で背中にくくり付けた少年が道を振り返ると、通り過ぎた道筋に鐘が幾つも鳴らされている幻想を描いたものです。
谷内さんの文章が添えられていて「六角ふりこ時計を背に電車道の時計屋までお使いに行った思い出があります(中略)ふりこがガランと背中で音をたてると気になってうしろをふり向きます」とありました。
背中に振り子時計を背負った子ども。
今や現実にあったとも思えません。だからこそ、谷内さんの絵や文章は、限りなく懐かしいのでしょう。
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2015年8月8日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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